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FKシネマ

所属:ふくしま・かなざわキッズ交流キャンプ
福島の子供たちの笑顔と元気を応援する「ふくしま・かなざわキッズ交流キャンプ」(FKキッズ)の活動の一環として、この「FKシネマ」を加えました。人間社会に巣食う様々な問題を探る映画を中心にした上映会の場は、FKスタッフ間の新たなコミュニケーションツールです。さらに描いているのが、FKシネマで生まれる新たな出会い。月に二、三度のペースで上映会を開催します。
イベント名 開催日 会場
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Review(1)

09/24 13:05

ポバティー・インク ~あなたの寄付の不都合な真実~ のレビュー 

 11月いっぱいでユナイテッドピープルとの契約が終了するFKシネマは、このほぼ一年の間に同社が現時点で取り扱っている作品のすべてを上映しました。その中でもっとも刺激的な作品のひとつが、『ポバディー・インク ~あなたの寄付の不都合な真実~』です。再生チェックを兼ねて視聴したばかりです。少ない言葉で感想を述べるのは簡単ではありません。できることならいっしょに鑑賞した人と人が向き合って懇談し、深めたい作品です。

 今ではすっかり相対的貧困家庭に含まれる身には、貧困という言葉が持つ響きにある種の抵抗を感じます。貧しいから困るのではなく、困るのは、生きていくのが困難な社会の仕組みにあると感じているからです。映画の冒頭に「世界が変化しないのは、変化で損をするのは強者、つまり極一部の富者や権力者で、得するのが大多数の弱者だから」という内容のメッセージが流れ、寄付をはじめとした支援が今やpoverty inc.”貧困産業“として貧困を維持させている構図があることを指摘しています。

 「貧しいから能力がない、力がないから貧しいのではない」。「必要なことは隔絶を無くすること」。映画のあらゆる場面で訴えられるメッセージに動揺しました。隔絶のひとつが、個々の中にも存在しているのではないでしょうか。これからの余生を貧乏神に取り憑かれている生きる凡夫にもまだまだできることがあると、なぜだか勇気が湧いてくる映画でもありました。人が生きる姿は本来とても美しい。鑑賞直後の今感じていることのひとつです。