アジア最高のテノールと絶賛されたオペラ歌手のベー・チェチョル。繊細な力強い歌声でオペラの本場ヨーロッパの観客を魅了、「100年に一人の声を持つテノール」と評された。その歌声に惚れ込んだ日本人音楽プロデューサーは「日本でオペラ公演の主役として出演して欲しい」と熱心に頼んだ。韓国人オペラ歌手を主役に起用するのは大きな賭けだったが、日本公演は大成功だった。以来２人は固い絆で結ばれた。
ベー・チェチョルはヨーロッパに戻り、次の公演の練習中に突然意識を失って倒れてしまう。医師の診断は甲状腺がん。手術で命は取り留めたものの、手術中に声帯の片方の神経が切れてしまい、二度と歌うことができなくなってしまった。歌手として最も過酷な苦難を受ける彼に、彼の声を愛した日本人プロデューサーは、彼の声を取り戻すため一人の日本人医師を見つける。だが、医師も躊躇するような難しい手術は成功の確率が極めて低い。音楽で結ばれた二人の絆が奇跡を生み、再びステージに立つことはできるのだろうか。(2014年製作　121分)