cinemoシアター・インタビュー

cinemoシアターが始まる前の約2年半前、2013年8月から「銀座ソーシャル映画祭」を主催している中越パルプ工業営業企画部部長の西村修さんにお話しを伺いました。現在はcinemoシアタープログラムを利用して1ヶ月半に1度のペースで銀座の上映会を開催されています。

企業としてこのような上映会(映画祭)の開催を開始された理由や、長く続いている秘訣を伺いました。

取材・文:関根健次(ユナイテッドピープル代表) 取材日:2015年12月22日



Q.御社の事業概要や映画上映を始めた理由を教えてください。
A.中越パルプ工業株式会社は、家庭紙以外のあらゆる紙を作る昭和22年創業の総合紙パルプメーカーです。印刷用紙から産業用紙、新聞用紙までを年間80万トンの製造販売をしています。

中越パルプ工業のみが、日本の竹も原料にして紙にしています。
地域で厄介者になっている竹を何とかしてくれないかという要望が地域からあり、製品化しました。


社会を変えるのは個人の想い(やっかい事の解決)から始まります。
だからこそ、弊社がニーズを聞いて作り上げた竹紙のことを人に言い触らすようにしています。そうしていると、たくさんのいい人達とつながるんです。しかし、社内はなかなか変わらない。変えるきっかけとして、ドキュメンタリー映画の上映を決めたんです。

どうせやるなら社内だけでなく本社がある銀座地域に開いてやってみようと、提案もあったことで始めました。ただし、未経験なので経験者と一緒に始めました。

Q.どれぐらいのペースで開催していますか?
2年半前にスタートして20回開催してきました。1ヶ月半に1度のペースで続けています。

Q.続けられたのはどうしてでしょうか?
社員のためと考えていた上映会ですが、1回目ですぐに感じたことは、社員は簡単には変わらないことが分かったんです。しかし、この場を求めてくる方が多くいることも同時に知りました。上映会が心置きなく話せる場となったんです。色々な会社に意識の高い人がいることが分かり、彼らと交わったり、参加者間の交流が生まれたのです。そんなニーズがあるならば、社会のために続けようと思ったんです。

当初は1年に2回できれば上出来と思っていたら、思ったよりもハイペースで開催が続けられました。参加者から、この映画を観たいというニーズが出たり、映画祭を手伝いたいという声が上ってきました。

また、小さくても続けようとやってきました。続けることが何よりも大事。続けたらいつか広がる。この映画祭が社会のためになっていると実感しています。

長く続けている理由は関根さん(ユナイテッドピープル)と出会ったということも理由です。「映画を通じて平和な世界を」。「関根さんを応援しよう、ユナイテッドピープルの映画をなるべく多く上映しよう」と思ったんです。1年目で9回上映できたのですが、コアメンバーがいなくなってしまい、みんなで集まって、どうするか話し合ったんです。せめて2ヶ月に1度にしてほしいという声もありましたが、ペースを落とさずにやり続けました。

Q.上映会告知はどのようにしていますか?
会社のウェブサイト、フェイスブック、そしてcinemoです。また、雑誌オルタナを共催につけてメルマガで紹介してくれています。

Q.運営メンバー構成を教えてください。
7,8人です。社外の方が多いです。全員会社員の方々なので忙しいんですが…コアのスタッフ3人ぐらいいると上手く回ると思います。

また、銀座ソーシャル映画祭といいながら、メンバーは銀座以外の方ばかりです。メンバーには、チャンレンジの場にしてくださいと言っています。自分を成長させるための訓練の場。 ファシリテーションや司会にチャレンジしてもらったり。

Q.上映会開催までの準備期間はどれぐらいですか?
理想1ヶ月ですが、切っていることが多いです。

Q.毎回の参加者数を教えてください
20人ぐらいです。最初は70人ぐらいでした。宣伝も最初はかなりあり、大きめの会場でした。

集まる人はいい人ばかりです。例えば映画が途中トラブルで止まっても誰も文句を言わない。アンケートをかなりの割合で書いてくれますが、誰も文句を書かないんです。テーマで異なりますが、よく来てくれるファンがついています。

Q.課題があればお願いします。
集客がもっとも難しい。一人ひとりが発信するしかないと思います。一人が何人か連れて来ることの繰り返しです。「一度来てみて!」というやり方で、募集しています。

Q.要望をお願いいたします。
何と言っても旬な作品、新作が欲しいのと、ラインアップは増やしてください。あと、『台北カフェ・ストーリー』のような軽いテーマの作品もお願いします。

Q.何かメッセージがあればお願いします。
能力もなかった私が映画上映会の開催ができました。人に協力してもらえればできるということが分かったんです。普段、あまり考えない方が映画鑑賞を通じて、何かを知り、自ら考え、行動するようになるんです。映画は短い時間で考えるきっかけと、周りの人と(参加者)と考えを交換する機会を生み出せるとてもいいツールです。

自ら考え、行動する人が少ないから世の中が変わらない。
増えれば世の中が変わる。
考えることができなければ、行動できない。

20年以上会社員生活をしていて、できる立場になった時に行動を始めました。
それまで、不満を持ちながらも考え続けてはいました。
そして行動を起こしたんです。

トライし続けたい。小さいながらも。

全国ソーシャル映画祭ネットワークを呼びかけています。
同じことを全国各地でやってくれたら広がりが出てきます。
ノウハウを伝えることができるので、やりたいという人にお伝えします。
全国あちこち同じようなことをする人を増やしたいんです。

*「全国ソーシャル映画祭ネットワーク」に参加するには一度お問い合わせください。参加が決まりましたら「cinemoシアター」に契約して、ソーシャル映画祭をスタートすることができます。

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