じゃじゃの私設図書館の5月最終週は「チュートウ・ウィーク」。
テロ！危険‼とされる中東のメージを刷新すべく、中東にまつわるブックフェアやスイーツの試食会、都市・建築セミナー等を通して知られざる中東の魅力を発信します。
そしてイベントの最後を飾るのは、映画「ナディアの誓い」上映会。
本作は、イスラム国による虐殺や性暴力の被害者でありながら、「自分と同じ思いをする女の子をなくしたい」との思いで、自らの壮絶な体験を言葉にすることを決めたナディアの物語です。
トラウマに苦しみながらも、強い意志で国連でのスピーチをやり遂げるナディアの姿は中東の新しい女性像を感じさせます。
一方で、本作はもう一つの重要なテーマをわたしたちに投げかけます。
本作の原題"On Her Shoulders"。
ナディア自身が背負うと決めたこと以上に、周囲の期待が重荷となって彼女の肩にのしかかっていきます。
国際社会による思惑も混ざった期待。
彼女をヒーロー視する報道の過熱。
しかし、ナディアは普通の女の子であって、世の中全ての暴力を代弁するには荷が重いのです。
彼女をヒーローのように扱って、すべての不条理の解決を委ねるのは、わたしたちのエゴなのです。
先の見えない毎日が続き、絶対的な何かにすがりたくなってしまう、そんないまだからこそ、この映画を上映する意味があると思っています。
上映後には、みなさんで感想を共有する時間を設けています。ぜひ、お申込ください。