草間彌生∞INFINITY
ジャンル
社会変革 その他 時間 77分
製作年 2018年
監督 ヘザー・レンズ
60年代のニューヨーク。
女性芸術家が単独で個展を開くことが不可能とされた時代、草間彌生は苦境の中でも創作活動を続け、不可能を可能に変えていく。
これは天才芸術家の。そして1人の女性のパワフルでドラマティックな人生が詰まった感動のドキュメンタリー。
VIDEO
Artist Yayoi Kusama drawing in KUSAMA -INFINITY. © Tokyo Lee Productions, Inc. Courtesy of Magnolia Pictures.
About the film
70年以上にわたり独自の芸術を表現し続け、2016年にTIMES誌の「世界で最も影響力のある100人」に選出された草間彌生氏。そんな彼女がまだ無名だった頃、芸術家としての高みを目指し、単身で渡米。本作で捉えるのは幼少期の芸術への目覚めから、アメリカへ移住するまでの日々。そして激動の1960年代ニューヨークで苦悩しながら行った創作活動と、当時それらの作品が国内外でどのように評価されたのか、アメリカで活動するアーティストへ与えた影響といった、草間氏の知られざる過去が映される。
More info
世界的アーティストの1人として知られる草間彌生。絵画や彫刻、インスタレーション、パフォーマンスアート、詩や文学……様々な分野で輝かしい功績を残し、現在もなお創作活動に全てを捧げて生きている。そんな草間彌生の作品に心を奪われたヘザー・レンズ監督。1950年代から70年代初頭にニューヨークで創作活動をしていた草間のアート界に及ぼした影響が見落とされていることに気づき、「草間彌生の複雑なストーリー(人生)と芸術(才能)を分かち合ってもらいたいと思った」と、ドキュメンタリー『草間彌生∞INFINITY』を制作。この映画は、草間彌生がどのようにして芸術の道へ進み唯一無二の表現者になったのか──。
芸術への情熱を理解されなかった幼少期、単身アメリカへ渡った挑戦、苦悩と困難の連続だったニューヨークでの創作活動、作品が認められるまでの道のり、大切な人達との出会いと別れ、強迫神経症という病……波瀾万丈のひと言では足りないほどの超絶人生を送ってきたアーティストの人生に迫る。草間彌生本人のインタビューに加え、70年に渡る創作活動の記録、草間彌生の才能を語る芸術関係者の声によって構成される衝撃の77分! 知られざる草間彌生の人生に心をつかまれる!
Data
原題
Kusama: Infinity
製作年
2018年
製作国
アメリカ
制作
配給
パルコ
時間
77分
Cast & Staff
監督
ヘザー・レンズ
製作総指揮
プロデューサー
ヘザー・レンズ、カレン・ジョンソン、ダン・ブラウン
原作
脚本
へザー・レンズ、イデノケイタ
音楽
アリソン・ニューマン
撮影
ハート・ペリー
編集
イデノケイタ、タケダシンペイ
キャスト
草間彌生ほか
上映会主催者の声
上映会を主催された方の声を紹介します
2023ウナギネマvol.4『草間彌生∞INFINITY』
これほどまでに凄絶な人生があるものだろうか。
芸術とはここまで残酷なのか。
「すごかったね」
上映終了後に、参加者の口から思わず漏れた言葉。
この一言がすべてを語っているのかもしれません。
10歳の頃にはすでに芸術に身を捧げると決めていた彌生さん。
家族はそれを許しません。
父親の問題行動も、幼い彼女の性格形成に大きく影響します。
拒絶の連続の中で、それでも描くことを渇望する彌生さん。
その道を貫くために渡米します。
しかし、ここでも彼女は拒絶され続けます。
女性だから。
白人でないから。
多くの素晴らしい芸術的挑戦は彼女のものとしては評価されず、
それをコピーした白人男性の名声となります。
彼女の絶望はいかばかりだったことか。
それでも彼女は描くことをやめません。
いや、描くことの呪縛から逃れられなかったのかもしれません。
自分の生をぎりぎりまで燃やして、それでもなおその先を求め続ける。
芸術に身を捧げるとはこういうことだったのか。
長い不遇の時間を経て、現在では世界最高の女性芸術家となった彌生さん。
ポップな水玉模様の背景には、このような物語があったのか。
彌生さんの水玉は宇宙であり愛そのものです。
ぜひ観ていただきたい作品です。
次回のウナギネマは、8/12(土)〜14(月)の3日間です。
上映作品は『もったいないキッチン』。
食の もったいない を美味しく楽しく解決!
舞台は「もったいない精神」の国、日本 。
“もったいない精神”に魅せられ、オーストリアからやって来た食材救出人で映画監督のダーヴィド。
日本を旅して発見する、サステナブルな未来のヒントとは。
詳細はこちらから。
http://unaginema.com/2023/07/27/2023ウナギネマvol-5『もったいないキッチン』/
2日間に渡って上映し、4名、6名で10名の参加者がありました。
メディアでみる草間彌生さんのキャラクターではなく、若かりし頃の活動を初めて知ったという感想や、草間彌生さんのイメージを覆されたという感想がありました。
草間彌生さんの生き方を通じて勇気をもらったという感想もありました。
第159回 銀座ソーシャル映画祭 x デモクラシー・フェスティバル・ジャパン
6/24(土)昼、第159回 銀座ソーシャル映画祭 x デモクラシー・フェスティバル・ジャパンを開催しました。
近日急遽上映可能になった、前衛芸術家・草間弥生さんの半生を追った作品を上映しました。今や著名な世界的アーティストなので、いつもより多くの参加者、初めての参加者が集い、盛況でした。
先月からDemocracy Festival Japanのプレイベントも兼ねて、月1回のペースで共催しています。北欧で盛んな「デモクラシーフェスティバル」を日本でも楽しもうと推進する団体です。「デモクラシーフェスティバル」を「民主主義の祭典」と言うより「おしゃべりなお祭り」と捉えるとシックリします。これまで続けて来た銀座ソーシャル映画祭の上映後の感想共有が、とても似た価値観だと思います。
いつも上映の大きな社会的課題がテーマな作品とは異なりますが、常に新しい表現を発表しながらも不当な評価に苦しんだ草間弥生さんの半生に、参加した方々も様々な思いを巡らしていたことでしょう。
閉会後も会場を開放して、残る参加者同士で交流が続いていました。