ありがとうございます!

レビューも投稿してみませんか?

投稿してみる

おクジラさま ふたつの正義の物語

メンバー登録(無料)

メンバー(無料)になると最新の映画情報が届きます。詳しくはこちら

SDGsカテゴリー(SDGsとは?

Recommend

監督:マチルダ・ジュリアン&ジョナサン・カレン
監督:ベン・ナイト&トラヴィス・ラメル
監督:クリス・テンプル、ザック・イングラシー
監督:アンドリュー・ハッセ

おクジラさま ふたつの正義の物語

ジャンル 環境 平和 多様性 伝統文化 問題解決
時間 96分 製作年2017年  監督 佐々木芽生

捕鯨でも、反捕鯨でもない、どっちつかずのいい映画だ!イルカ漁を巡って太地の港を右往左往する人間たちのコメディ。「クジラやイルカが絶滅寸前だと議論をしているが、こんな小さな町こそ絶滅危機にある」というアメリカ人ジャーナリストの科白が光る。
―――ビートたけし

日本におけるクジラ・イルカ漁の問題は、尖閣や拉致問題と同様にナショナリズムの問題になっている。だからこそ政治は硬直する。硬直に抗するためには、多様な視点を知ることが必要だ。様々な視点と視線が幾重にも折り重ねられながら、映画はあなたを新たな視点へと導くはずだ。
―――森達也 (映画監督・作家・明治大学特任教授)

分かり合えないからこそ、向き合うべき時がある。
感情の「壁」が立ちはだかる現代を、「おクジラさま」が飛び越える。
海からやってくる「奇跡」の予感。
―――茂木健一郎 (脳科学者〕

アフリカの辺境の地でも、すでに起き始めているグローバリズムとローカリズムの衝突。いいことも、わるいこともある中で、自分なりにそれを”考えてみること”を提案してくれる映画です。
―――ヨシダナギ(フォトグラファー)

Screening Information

上映会 開催者募集

About the film

紀伊半島南端に近い和歌山県太地町は、人口約3000の小さな漁師町。2010年、この町が一躍世界の注目を浴びた。町で行われているイルカの追い込み漁を批判的に描いたドキュメンタリー映画『ザ・コーヴ』がアカデミー賞を受賞したのだ。以来、「クジラの町」として400年の捕鯨の歴史を「誇り」にもつ太地町は、イルカやクジラを保護したい海外の活動家たちからの集中非難の的となる。2010年秋、過激な抗議活動で知られるシーシェパードのメンバーが太地町に降り立ち、小さな漁師町が国際紛争の舞台となった時から、物語はスタートする。

マスメディアが報じてきた二項対立 ―捕鯨を守りたい日本人とそれを許さない外国人― という単純な図式ではなく、賛否にとらわれない多種多様な意見をカメラは捉えていく。歴史・宗教・イデオロギーの違いや、自分と相容れない意見や価値観を持つ他者との共存は果たして可能なのか?日本の小さな漁村で起きている衝突を通して、世界が今直面しているグローバリズムとローカリズムの対立、そして「ダイバーシティ~多様性の危機」を描き出す。
2010年大ヒットした映画「ハーブ&ドロシー」の佐々木芽生監督が6年がかりで制作した本作品は、2018年夏、アメリカでも劇場公開されて大きな話題を呼んだ。

More info

2010年9月、過激な抗議活動で知られるシーシェパードのメンバーが、黒いドクロマーク付きのTシャツを来て太地町にやってきた。彼らは、メディアをうまく使って世界で最も成功している環境NGOの一つ。南氷洋で日本の調査捕鯨船に体当たりしては新聞やテレビを賑わせ、彼らの「英雄行為」に対して数億円単位で寄付金が集まる。

太地町では12隻の船でイルカや小型クジラを湾に追い込み捕獲する。活動家はその様子をビデオや写真におさめ、ネットで配信。すると非難のメッセージが町役場や漁業協同組合に殺到し、欧米の活動家が抗議に駆けつける。国内外の報道陣が集まり、地元の政治団体が街宣車のスピーカーから片言の英語で活動家たちに脅しをかける。この状況を打開できないかと、太地町代表者と外国人活動家の対話集会が町の公民館で開かれるも、お互いの意見は決して交わらないことを確認するだけだった。

2014年秋、太地町の状況はさらに悪化していた。追い込み漁の季節になると、大勢の活動家が大型バスで乗り付ける。地元では警察、海上保安庁、時には機動隊まで出動して警戒体制が敷かれる。今や TAIJIの名は、「イルカ殺しの町」として世界の隅々まで知れ渡り、ソーシャルメディアなどを通じてネット上で罵詈雑言が拡散している。

絶望的にみえるこの状況の中で、一人のアメリカ人ジャーナリスト、ジェイ・アラバスターと出会う。彼は太地町に住み込み、公平な立場で町や人々を理解しようと奔走するが・・・

マスメディアが報じてきた二項対立 ―捕鯨を守りたい日本人とそれを許さない外国人― という単純な図式ではなく、賛否にとらわれない多種多様な意見をカメラは捉えていく。歴史・宗教・イデオロギーの違いや、自分と相容れない意見や価値観を持つ他者との共存は果たして可能なのか? 太地町で起きていることは、今まさに世界が直面しているグローバリズムとローカリズムの対立、そしてダイバーシティ(多様性)の危機と重なる。

インターネットとソーシャルメディアを通じて、一瞬にして情報が拡散す時代に、私達はどう世界と対話して行くべきなのか。

Data

原題 A Whale of A Tale 製作年 2017年
製作国 日本・アメリカ 制作 FINE LINE MEDIA JAPAN
配給 エレファントハウス 時間 96分

Cast & Staff

監督 佐々木芽生 製作総指揮
プロデューサー 佐々木芽生 原作
脚本 音楽 デビット・マズリン
撮影 笠原 貴/杉岡 太樹 編集 バーナディン・コーリッシュ
キャスト ジェイ・アラバスター 三軒一高 リック・オバリー スコット・ウエスト

Review(1)

23/11/16 20:17

ひろんた村母屋 さんのレビュー
学び
小学生の娘も一緒に、この対立が一体どうなっていくのか⁉たのしめました。もどかしく、うまく行かない様子、対話や議論のかみ合わなさこそ、みどころのような。そして、自身の、意見が合わない人への対応を振り返り、悶々とするきっかけにもなります。

レビューを投稿

800文字以内でご入力ください

             

cinemoメンバーに登録してレビューを投稿しよう!

上映会主催者の声

上映会を主催された方の声を紹介します
タイトル通り 2つの正義
1room cinema 2022年01月30日
日本が舞台という事もあり、食、伝統、環境、動物保護など色んな問題が身近に考えれました。
これからこういった課題の連続で、考える事は必須になると思います。
話し合いをして、解決することがゴールではなく、歩み寄り、両者の意見を聞き、なぜその問題が起きたのか、きちんと考える必要があるのではないかと思います。

結局平行線ですが、両者に少しの変化があったのではないかと思います。
それが何よりの大きな成果だと思いました。

2項対立
シアター酔いどれ天使 2022年01月22日
民主主義って何?と考えさせられる映画でした。
ほんとの話し合いで解決できるものは、実は数が少ないかもしれません。数の大きさで決めたり、その場の雰囲気で決めたり、決めなくても良いのに稚拙に決めたり。今決めなくても長い間の話し合いで決めれば良いのに、と思う所は多々あるような気がします。しかしそれも一概には行かず、らせん上に又絡まっていくしかないのかな。

232 CINEMA 2021年11月27日
ぶつかり合う正義に何が正解なのか、そもそも正解があるのか?答えはひとつじゃないなと考えさせられる内容でした。
それぞれ真剣で、守りたいものや誇りを持っていて、内容的にはもやもやする部分が多々あるものの、どちらの考えや主張も理解して寄り添いたくなりました。

家畜でも野生でも命は同じ。どう線引きをするのか、答えは簡単には出せませんが、興味深い内容でした。

ふたかわ超学校 2021年11月21日
「ふたつの正義」の意味や日本と欧米の「伝統」に対する考え方の違い、劇中の音楽の意味、(太地の)漁船からの映像を撮るためにどれだけ手間と時間をかけ、それがどれだけ貴重か等、映像を観ただけではわからないところが、佐々木監督のお話しによってとてもよくわかり、より深く理解することができました。

どんな映画でもそうかもしれませんが、監督の思いを聴いた上で観る(もしくは観た上で聴く)とその映画の解像度が格段に上がるので、とくに複雑な問題(にみえる)「おクジラさま」を上映する際は佐々木監督のお話しとセットで上映することを強くおすすめしたいと思いました。

10時の回2名、15時半の回2名、合計4名
上映会後の対話では、アメリカの身勝手さに関して憤りを感じる意見や、日本が海外の舞台でPRが得意ではないことなど、クジラ問題を世界との関わりから考えた意見や、食べ物をしてのクジラのことなど、いろんな意見が飛び出しました。