畑で街を占拠しよう!
舞台はサンフランシスコ、バークレー、オークランドの3都市。
経済格差の広がる社会状況を背景に、新鮮で安全な食を入手するのが困難な都市で、市民自らが健康で栄養価の高い食べ物を手に入れるシステムを取り戻そうとさまざまな活動が生まれて行く。
News
- 2022/11/22
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- 2021/11/15
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- 2020/11/19
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About the film
舞台はサンフランシスコ、バークレー、オークランドの3都市。
「空き地で、食べ物を作れるんじゃない?」
経済格差の広がる社会状況を背景に、新鮮で安全な食を入手するのが困難な都市を舞台に一部の市民が始めたアスファルトやコンクリートをガーデンに変えて行く活動。それが共感を呼び、世界に大きなうねりを生んでいます。
「食が重要視されないなら 市民がその重要性を訴えるだけ」
「(社会の中で)問題は山積みだけど 食なら人々の力で変えられる」
そんな思いから、健康で栄養価の高い食べ物を手に入れるシステムを取り戻そうとさまざまな活動が生まれて行く。そして、一人一人の活動がコミュニティを動かす力となり、社会に変化をもたらす。卓越した草の根運動のプロセスを実感できるドキュメンタリー。
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映画の舞台はサンフランシスコ、バークレー、オークランドの3都市。経済格差の広がる社会状況を背景に、新鮮で安全な食を入手するのが困難な都市で、市民自らが健康で栄養価の高い食べ物を手に入れるシステムを取り戻そうとさまざまな活動が生まれて行く。
そして、一人一人の活動がコミュニティを動かす力となり、社会に変化をもたらす。卓越した草の根運動のプロセスを実感できるドキュメンタリーフィルム。日本人にはまだ馴染みの薄い「食の砂漠」「食の正義」「食料主権」といった概念だが、日本でも子どもの貧困、孤食など少しずつ社会問題として滲み出ている。アメリカで広がりを見せている都市農園、コミュニティーガーデン、エディブル・エデュケーション(栽培から食卓まで全体をいのちの教育として位置づける食育)は、都会生活に食と農のつながりを取り戻す可能性を感じさせてくれる。
Data
原題 | Edible City | 製作年 | 2014年 |
---|---|---|---|
製作国 | アメリカ | 制作 | イーストベイピクチャーズ |
配給 | エディブルメディア | 時間 | 56分 |
Cast & Staff
監督 | アンドリュー・ハッセ | 製作総指揮 | |
---|---|---|---|
プロデューサー | 原作 | ||
脚本 | 音楽 | ||
撮影 | 編集 | ||
キャスト |
Review(1)
上映者の声
上映後の参加者から以下のような感想が出されました。
●子どもが小さかったときは生協に入っていたが、もう一度食を見直したいと思った。経済的に厳しいと安全な食が手に入らない。裕福でも貧しくても、安全な食が手に入る取り組みはいいなと思った。
●マンション暮らし。コロナのときに一年間実家に戻ったが、実家の地域は戸建て多く、庭もあり、人間的な生活だと思った。工業的に生産されたものばかり食べている。「余裕」がないとできないかもしれないけど、「余裕」を持ち寄って一緒に畑をする取り組みは素晴らしいと思った。2014年の映画だが、今はどうなっているのだろう?
●ワークショップのシーンが印象に残った。「自分たちで取り戻そう」「スムージーで」というのが良かった。「愛」がキーワード。銀行から借りずに、自分たちで協同組合を作って取り組んでいるのも良かった。
●「愛で対抗する」と言って去っていくシーンがかっこよかった。つい最近畑を借りて、野菜作りを始めた。ゴーヤがネキリムシにやられて2個しかできなかったが、野菜の温かみを感じたり、野菜に対して「頑張っているな」と感じたりした。
●食が「経済優先」となっているのを変えたい。多くの人は、スーパーで「買う」だけ。すぐ近くに畑があれば、野菜が育つ過程を観れて、「気づく」ことができる。いまはそれが見えなくなっている。先日田んぼの草刈りをさせてもらって、気づいたこともある。教育のなかで食を扱うことが大事だと感じた。
●昨年秋に糸島市から福岡市にやってきた。2年前から農家になり、いま農地を買おうとしているが、新規就農で、機械を使わない、多品種…と普通のやり方と違うやり方をしようとしているため、こと細かく聞かれて、まだ農地を買えていない。でも、都会でやっていくことの意義があると思う。生きるための基盤となる知識(空気、水、土…)について知らないことが多い。そういう知識を知っていくことが基礎となる。「これから福岡市でやっていきたい」という思いを新たにした。
●8年くらい前から1反ほど畑をしているが、近所の高齢の農家を見ると「子どもに継がせたくない」という気持ちは分かる。たいへん。夏は草とのたたかい。自然農をやりたいけど、状態を観ながら、方法を変えている。具合が悪くても、畑に出ると良くなる。「個人の問題ではない。政策としてやらないといけない」という言葉が印象に残った。福岡市の「須崎公園」「藤田公園(博多区役所の横)」などでも畑ができたらいいなと思った。
●価格と賞味期限だけを見て、それ以外はあまり気にしたことがなかった。将来の子どものためにも、知識をつけたいと思った。映画のなかで、畑によって人のつながりが生まれていた。実家の地域でも物々交換が当たり前にあった。畑の良さを改めて感じた。
●最近子ども食堂に関わりはじめ、フードバンクから届く食品を見ていると、ジャンクフードが多い。日本では「食の貧困化」の問題と「食の安全」の問題が両立できていない。教育やメディアの影響が大きいと思う。福岡市の「須崎公園」「舞鶴公園」「海の中道のカジノ計画」などの問題について、食や畑を使った対抗運動の方法が参考になった。
●大名小学校跡地にできたリッツカールトンのところが人工芝なのは残念。
●幼稚園のことをキンダーガルテンというが、最近の保育園はビルの一室にあったりして、「子どもの園」になっていない。もともとドイツでは、園の周りに畑があり、野菜が育っていたらしい。自然は、人間の原点だと思う。
●たとえば、ポストハーベストの問題を知らないと、農薬をまいているのを見ても、何も気づかない。まず知ることが必要。
●政策提言は必要だけど、そのためには市民も力をつける必要がある。いまNPOで福岡市有地の森の管理を任せてもらえることになったが、まず自分たちでやった実績があるから。まず自分たちで実績をつくる必要がある。「コモンズ農園」をまず自分たちでやりたい。

どちらも食を起点に、どう生きるか、どう暮らすかということがテーマで、終わった後のお話し会も良い時間を過ごさせてもらいました。
「都市を耕す〜エディブルシティ〜」からは、
・食の主権を取り戻すということ
・どんなふうに社会に働きかけるのか
・人々の生き生きとしている姿
などが印象的にお話しされていました。
「アスファルトって壊せるんだ、そこがまた畑にできるんだ!」という素直な驚きも聞かれていました。
みんなで作り、行動するシステムチェンジのストーリーを、近隣の方々と一緒に観られてよかったです。
おやつを作ってきてくれた仲間のおかげでおいしい時間になりました。

「まちづくり」「コミュニティガーデン」「オーガニック 」などのキーワードのもと、映画でアメリカを舞台にした市民活動実践をしり、そして上映後のワークショップ「シードボールを作ろう」で「自分ごと」に置き換えるプログラムでした。
参加者からは「アメリカの食に関する問題が深刻で、日本はまだ良い方だと思った」「ウサギのシーンが...食のありがたみを感じた」「自分は自分の家族の病気がきっかけで食事を見直すようになった。こういうきっかけがないと現状、食のあり方を学んだり見直す機会がない。この映画を教育施設で見せるなどするといいと思う」「市民の行動力が日本と違う。そこがすごいと思う」という感想が聞かれました。
シードボールづくりの際には、イギリスなどでのゲリラガーデニングや日本の自然農法の話などもあり、コミュニティーガーデンやオーガニック への意識も高まった時間となりました。
本作品は市民が耕作できる農園のない東京都北区民にとってはとても刺激的な作品です。畑が大好きで地元で農にかかわりたい人々がたくさん集まり、私たちのこれからの活動に希望をいただきました。