自然エネルギーによる地域再生。これからの時代の「豊かさ」を巡る物語。
地域を変えた、移住者・被災者たちの「暮らしの選択」、映画に。
「あたり前」を取り戻すために選んだ未来とは…
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(c)いでは堂
About the film
-原発被害の残る福島県飯館村で畜産農家がこれからの世代へ未来をつなごうと立ち上げた電力会社
-地域唯一の小学校を守ろうと、岐阜県にある100世帯の集落“石徹白”で立ち上がった小水力電力事業
今、子供達に幸せな未来を残すため、自然と向き合い、人と向き合い、地域と向き合いながら、暮らしの選択を続ける人たちがいます。大きなシステムに依存せず、自らの暮らしを支えるエネルギーを自治しながら、「あたり前」にあったはずの、本当の豊かさを取り戻していく…そんな彼らの、穏やかな、そして力強い挑戦の姿を描きます。
監督は、前作「よみがえりのレシピ」で、在来種のタネをめぐる物語を描いた渡辺智史監督。2014年より本作の取材を始め、全国の自然エネルギーによるまちづくりの取組みを追ってきました。
映画に登場するのは、福島県・秋田県・岡山県、そして、岐阜県で「エネルギー自治」に取り組む人々です。原発事故をきっかけに感じた不安や怒りや恐怖や、疑問。それを誰かのせいにするのではなく、自分たちの手で未来を変えようと動き続ける人たちの姿からは、未来を豊かにする「暮らしの選択」のヒントが見えてくるはずです。
これまでの、成長・拡大を求める経済のあり方とは違う、それぞれの地域の「幸せな経済」が全国で生まれつつある現在。『おだやかな革命』は、原発被害の残る福島県飯館村や、今では移住者の絶えない石徹白、西粟倉の取り組みなど、エネルギー自治の出発点から現在地までを見つめた、未来に向かうおだやかな革命の物語です。
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3.11の原発事故を一つのきっかけにして、これまでの成長・拡大を求める経済のあり方とは違う、それぞれの地域での「幸せな経済」が全国で生まれつつある。『おだやかな革命』は、大きなシステムに依存せず、自らの暮らしを支えるエネルギーを自治しながら、本当の豊かさを取り戻していく地域の姿を見つめた物語だ。2年にわたり追い続けたのは、原発事故後に福島県の酒蔵の当主が立ち上げた会津電力。放射能汚染によって居住制限地域となった飯館村で畜産農家が立ち上げた飯館電力。岐阜県にある100世帯の小さな集落が立ち上げた小水力事業。さらに、首都圏の消費者と地方の農家、食品加工業者が連携して進めている秋田県の市民風車。そして、自主自立を目指して村の森を再生しながら森林資源を生かしたビジネスを起こし、若者の起業家を集めている人口1500人の西粟倉村の取り組み。
「当たり前の日常」が今日も当たり前であることの難しさに直面しながらも、そこから逃げずに向き合った彼らの「暮らしの選択」が、穏やかに地域を変えていく。映画に登場するこれらの地域の暮らしの選択には、これからの時代の希望のタネが詰まっていた。
Data
原題 | 製作年 | 2017年 | |
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製作国 | 日本 | 制作 | いでは堂 |
配給 | いでは堂 | 時間 | 100分 |
Cast & Staff
監督 | 渡辺智史 | 製作総指揮 | |
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プロデューサー | 原作 | ||
脚本 | 音楽 | 鈴木治行 | |
撮影 | 佐藤広一 | 編集 | 渡辺智史 |
キャスト |
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上映会主催者の声

また、この作品は10年位前の情報であることを申し添えて、現在の状況、ソーラーパネルに関しては特にその使い方に危機感も感じていましたので、そういった問題点も参加者と共有し、さらに私たちも意識を持って見守る必要があることを相互に確認しました。
電気会社に任せきっていた電力を自分たちのまちで自給することの意義は大きいですね。何より実例の中で皆さんがワクワクとアイデアを出しながら取り組んでいたことも心に残りました。
現在、情報やメディアの多様化の中で、昔のように茶の間に集まって同じ番組や作品を見るという機会も減ってきました。家族でさえです。それによって他者との繋がりを失った部分もあるんじゃないかなと感じていたので、こうして上映会を開くことで、世代の異なる住民同士、お客さん同士で同じ作品を観て、対話できる時間はとても有意義だなと実感できました。引き続き私たちもお座敷シネマの取り組みを続けていきたいと思います。
*当事業は、由布市の補助事業のため金額設定を低くしております。

1人の情熱が仲間に伝播していき、地域全体が活発になっていく様子にエネルギーをもらえた気がします。
映画の後は、スタッフも加わり、グループに分かれて、シェアリングを行いました。自分が関わるエリアでは、次に何をしようかと、行動に移すためのエネルギーをもらえたというコメントが複数上がりました!
4月上映作品は、『おだやかな革命』(2018年/日本/監督:渡辺智史)
福島、岐阜、秋田、岡山など、各地で再生可能エネルギーを軸に地域自立を目指す人々の姿を描いたドキュメンタリーです。単なるエネルギー問題の枠にとどまらず、地域の人々の価値観や生き方の選択、そして暮らしそのものを捉え直す視点が提示され、観る者に「これからの豊かさとは何か」を静かに問いかける作品でした。
上映後には感想共有の時間を設け、多様な視点と深い気づきが寄せられました。一部を紹介します。
・「再生可能エネルギーをテーマにしながら、まちづくりそのものを考える作品だった」
エネルギー問題は経済、教育、地域コミュニティと密接につながっていることを再認識したという声が多く聞かれました。
・「移住者の力を思い知るとともに、彼らを地域で受け入れる環境が必要」
地域を変えていく主体として移住者の存在感が際立つ一方で、地域側の柔軟性と対話力が求められるという意見も挙がりました。
・「地域の文化や歴史、慣習に対する敬意を持つことが、移住先で事業をうまく展開するコツだと感じた」
単なるビジネス視点ではなく、文化的なリスペクトをもって地域と関わることの大切さが語られました。
・「面白い取り組みをしている移住者が、また新たな移住者を呼び込むメカニズムが興味深かった」
人のつながりが連鎖的に新しい動きを生み出す「関係人口・活動人口」のリアルな姿が印象に残ったという声もありました。
今回の上映会は、「持続可能性」という言葉を単なる理念ではなく、実際に実践する人々の生き方として体感できる時間となりました。参加者からは「自分の地域でも何か始めたい」という前向きな声も多く寄せられ、まさに“おだやかな革命”が心の中に芽吹くようなひとときとなりました。
今後も「からびなシネマ」では、良質なドキュメンタリー映画を通じて、社会課題や暮らしのあり方に向き合う小さな場をつくり続けていきます。