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グリーン・ライ~エコの嘘~

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グリーン・ライ~エコの嘘~

ジャンル 環境 多様性 社会変革 問題解決
時間 97分 製作年2018年  監督 ヴェルナー・ブーテ

監督が世界一周しながら「エコの嘘」の実態を体当たり取材!
この映画を観たら気軽にスーパーで買い物できなくなるかもしれない。

Screening Information

2026/01/17 ~ 2026/01/17
[ 埼玉県 ] まちのTHEATER - 石蔵座 -

上映会 開催者募集

©e&a film

About the film

スーパーで見かける「環境に優しい」商品。
商品を買うと世界を救えるは本当?確かめるため監督自身が世界一周調査の旅へ出る。

「環境に優しい」「サステナブル」耳触りの良い言葉の裏側に隠された残酷な真実に迫るドキュメンタリー。

More info

スーパーで見かける「環境に優しい」商品。買うだけでオランウータン、海、そして熱帯雨林まで救えるというが本当だろうか?確かに「お買い物は投票」というように一人ひとりの消費行動は企業に影響を与える力がある。でも、本当に正しく消費するだけで世界を救えるのだろうか?ヴェルナー・ブーテ監督は、グリーンウォッシングの専門家カトリン・ハートマンとスーパーを訪れ、カップスープ、ピザやドレッシングなど多くの既製品に「持続可能な」と表示のあるパーム油が使われていることを知る。「持続可能なパーム油なんてない」と主張するカトリンに驚き、実態が知りたくなった監督は世界一周航空券を買い、ハートマンと一緒に旅に出た。

2人がまず向かったのは、パーム油の生産量世界一のインドネシアだ。現地の活動家の案内で、数日前まで熱帯雨林だったがパーム油農園を拡大するため企業により不法に焼き尽くされた土地を訪れると、監督はその痛ましい惨状を見て絶句する。どうしても普段の買い物と、森林破壊が結びつかない。どうすれば環境破壊をせずに済むのか?買わないことなのか、正しい消費の選択をすることなのか? 2人はブラジル、ドイツ、米国を巡って、様々な業界の実態を調べていく。そして著名な学者ノーム・チョムスキーなどに解決方法を聞きに行く。持続可能な未来のために、私たち一人ひとりがどう行動するべきか問うドキュメンタリー。

Data

原題 The Green Lie 製作年 2018年
製作国 オーストリア 制作 e&a film
配給 ユナイテッドピープル 時間 97分

Cast & Staff

監督 ヴェルナー・ブーテ 製作総指揮
プロデューサー マーコス・ポーゼー、エリッヒ・シンドレカ 原作
脚本 ヴェルナー・ブーテ、カトリン・ハートマン 音楽
撮影 ドミニク・シュプリッツェンドルファー、マリオ・ホッチル 編集 ガーノット・グラスル、ローランド・ブッジー
キャスト ヴェルナー・ブーテ カトリン・ハートマン ノーム・チョムスキー ラージ・パテル ヴィンセント・ハンネマン ディーン・ブランチャード スコット・ポーター ソニア・グァジャジャラほか

Review(2)

20/05/07 14:45

ユナイテッドピープル さんのレビュー
役立ち 学び 人生変わる
社会を持続可能な方向に導くために考案されたはずの「グリーンな」認証。その本来の意図を軽々と踏みにじる企業の利益至上主義。いわゆる一般的な生活者の目線とユーモアを大切にする監督の姿勢もあって、ニュートラルな心の状態を保ちながら深刻な実態を追体験できる優れたドキュメンタリーだ。正直に言って、エシカルな消費行動や認証ラベルの意義などについての普及活動をしてきた私は、不誠実な企業による裏切りとも取れる行為の数々に目眩がするほどのショックを覚えた。

それでも尚、私はこれからも、さまざまな認証を参考にして生活をおくるだろう。なぜなら、この地球上のたくさんの場所で起きていることに想いを馳せるとき、認証という仕組みがなければ世界はもっと酷いことになっていると感じるからだ。今の社会システムが次のステージに進むための手段としての可能性を持つ認証制度そのものを批判するだけでは、持続可能な社会づくりに貢献することにはならない。悪いのは認証そのものではなく、その仕組みを悪用する既得権益者と、認証を盲目的に信じる私たち生活者だ。私たち全員の幸せにとって欠くことの出来ない持続可能な社会を実現するには、一人ひとりが自分自身の目を、耳を、感覚を研ぎ澄ませて、真実に迫る努力をするほかないということを、改めて突きつけてくれるありがたい作品だ。

― 末吉里花
エシカル協会代表

***

危機を乗り切るためにユーモアが大切であることを、僕はグリーンランドや南米パタゴニアのフィヨルドや氷河を人力で旅した仲間から学んだ。僕にはない資質を持ったその友人は、状況が深刻になればなるほど独特のセンスを発揮して皆を笑わせた。今、人類は未曾有の危機を迎えている。状況を深く知れば知るほどシリアスにならざるを得ない。でも多くの人々は暗いニュースは好きではないし、耳に痛い話は本能的に避けようとする。大切なことは問題解決への近道を見つけることで、多くの場合、怒りよりもユーモアの方が状況を良くすることに繋がる、というのが今のところの僕の考えだ。そう言う意味でも、この映画の意義は大きい。

― 辻井隆行
元・パタゴニア日本支社長

***

“グリーン・ライ”を終結させるためには、大量消費主義と闘う原動力を、魂の底から掘り出さなければならない。わたしたちは、今この瞬間から選ぶことができる。このままウソをつき続けて金を得るのか、それとも、使命に従い自らの命を全うするのか。

― 井出留美
食品ロス問題ジャーナリスト

***

SDGsの影響で、遂に大企業もサステナビリティを掲げるようになったが、すべてを鵜呑みにしてはいけない。この映画が暴くその事実を知って「消費する恐怖」がより高まった。さあ、あなたはこれからどうする?

― 四角大輔執筆家・森の生活者

***

その他レビュー
https://unitedpeople.jp/greenlie/rv

24/06/09 18:46

ひろんた村母屋 さんのレビュー
元気 学び
皮肉が効いておもしろい。じゃあ、こうしましょう!と唯一の正解のようなものも用意されていない。現実らしく、もやもやとどうすれば分からないまま。だからこそ、考える。

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上映者の声

上映会を主催された方の声を紹介します
グリーン・ライ~エコの嘘~
浄楽寺 2025年12月19日
参加した人は少なかったのですが、色々な感想をいただきました。
何がリアルで何が嘘なのかわからなくなる。
企業に重要視されているのは「エコ」ではなく「経済的な関わり」。印象操作、投資価値、経済至上主義。
今なお残る階級制度。植民地政策。
お金で買う「商品」としての限界。
キーワードに出てくるものはお金と差別。その結果として起きている様々な問題の一つという印象が多かったかと思います。
最終的にどういう未来を観るのかが大切で、日々はそこまでの逆算であり、価値観を共有できるかどうか。しかし、日々に追われ、先を観ることのできない人、価値観が違うので同じ先を観ることができない人、現代における欲の在り方、、、地球人として世界を観ることができるかどうか。

ぜひ20代に見ていただきたい作品でした。広く告知できなかったことが残念です。

第237回銀座ソーシャル映画祭
銀座ソーシャル映画祭 2025年12月12日
12/12(金)夜、第第237回 銀座ソーシャル映画祭 x デモクラシーフェスティバル・ジャパン開催しました。
師走の寒い夜、少数ながらも、よく参加される方、時間を作って年末の挨拶も兼ねて参加される方、映画好きというだけ詳細知らずに参加される方など、様々な方々が集まりました。
上映作品「グリーン・ライ~エコの嘘~ 」は、お勧めのドキュメンタリー映画を聞かれると上位に挙げる、多岐にわたる環境分野を考えさせる良い作品です。
感想共有も、それぞれな感じが面白かったですが、その違う意見にもごく普通に尊重し合える素敵な参加者たちでした。

第5回『静大サステナ映画館』を開催しました!
 『静大サステナ映画館』の第5回上映会のご報告をします。
11月13日(木)静岡大学に、第5回『静大サステナ映画館』を開催し、「グリーン・ライ~エコの嘘~」を上映しました。今回は、14:00の回には大学生・大学教職員・一般参加者7名が、17:00の回には大学生・教職員4名、合計11名が視聴しました。

 「認証マーク」や「サステナブル」と謳われた商品を選んで買うことは、環境に良いことをしていると思いたい私たちにとって、衝撃的な内容でした。サステナブルな取り組みを積極的にしているはずの有名企業のダークな一面を知り、何を信じたら良いのか分からなくなる場面もありました。

 視聴後に思っていることや感想を共有する時間を設けました。以下、参加者の感想です。
 「印象に残ったのはドイツの炭鉱のシーン。現場を動画で見て、衝撃だった。また、BPの原油流出事故の影響がまだ続いていることを初めて知った。情報はどんどん流れていってしまうので、意識して情報をキャッチしたいと思った。グリーンウォッシュに陥らないよう、自身の目でしっかり環境問題に向き合っていきたい。」
 「メキシコ湾の大量石油流出の対応がとても雑で、さらに問題を難しくしたというのは初耳で、企業の倫理観に疑問を感じた。」
 「多くの企業が、最大限に環境に配慮して、と言っているが、実際のところは分からない。大学の教授とランチで、全てを持続可能な商品にしたら値段が4、5倍高くなると言っていた。環境は良くなるが、幸せかどうかわからなくなった。」
 「今まで環境に良いものは商品の表示を見て判断するしか方法はないと思っていたが、それも真実かどうかわからないと知り、衝撃だった。」
 「エコラベルも簡単につけられるものもあり、パーム油は環境にやさしい訳ではないと知った。」
 「持続可能な認証マークの内情を知って、本当にこれでよいのか、今まで自己満足だったのではないか、痛いところをつかれた。大量生産、大量消費、便利で安く手に入るものを求める生活の裏にある自然破壊、動物の絶滅、農作物への化学物質など、たくさんのリスクがあることを知る必要がある。」
 「人は生きているときに何らかの犠牲を払っている。環境を悪くせずに生活はできない。企業は利益を追求する。何が良いことなのかわかならなくなった。リサイクル方法が確立されていない太陽光パネルの設置助成など、疑問が残る。」
 「EV車に疑問に思っている。CO2を出さないという売り出し文句だが、製造段階で二酸化炭素を排出し、火力発電で得た電気でモーターをまわすのでは意味がない。また、石油が海に流れて、えびの体内に油が入り、人間は食べることができない。海の問題も森林の問題も、結局、人間に戻ってくるものだと思った。」
 「企業と環境活動家の対立ではなく、力を合わせていかないといけない。」
 「人間の欲を止めるのは難しい。この欲を環境に良い方向にどう持っていけるか。環境に良いことをするのは「かっこいい」という評価が得られ、それをみんながするようになるとよい。」
 「コウノトリの生息地では、無農薬で稲作をしている。そこでできたお米は無農薬米で高いが、消費者もそのことは理解している。利益を追求する方向ではなく、信念をもって、環境に取り組んでいくことが、良いのではないか。」
 「サステナブルレポートを出している優秀なはずの企業でも、この映画の中では酷かった。(企業に)丸め込まれるのではなく、つながることは大事だと思う。もう少し、物分かりの悪さを持って、環境問題に対応していかないといけない。」
 「この映画の内容は、研究テーマなので良く知っていたが、パーム油もブラジルの開発の問題もあまり改善されていないことに衝撃を受けた。「のせられている」という意識を持たないといけない。環境関連のエコラベル、FSCなどの認証マークは、ないよりはましである。映画の中の演者のような過激な行動をしたら、日本では仲間を失うだろうから、日本なりに訴えていく方法はあると思う。学生にもできることはある。自治体や企業を見学する際、学生は現場の矛盾や持続可能ではないところに気が付き、指摘することができる。よく、「学生さんに言われたことを上司に伝えます」と言われるので、そういう方法でも企業への意見は言えると思う。」

 参加者のみなさん、明日からの自分の行動を見つめ直す良い機会になったと思います。有難うございました。

騙されてはいけない。
マザーアース&のさり 2025年08月30日
物事はよくよく考えないと本当のことが見えてこないことを思い知らされる。賢い人は自分の目的のために、手段を駆使して大衆を動かす。嘘を言わないにしても言わない事実があれば物事の本当の姿はつかめない。良いことだと思ってしていることが誰かの掌の上で動かされていることだとしたら悲しい。
小泉大臣が言った「エコはセクシーに」が出てきたことに驚いた。

現代社会の構造が
Cinema the Gaura Project  2025年06月27日
常連のお客さまのリクエストにより上映。シアターとなる店舗ではまさに「エコ」な商品を集め販売しているので、店主にとってはチャレンジングな上映会となりました。
作品中には世界中(2018年当時)のショッキングな環境破壊や労働環境の現状が映され、参加者の方々もそれぞれ心を痛めたようです。
上映後に感想シェアの時間をとりました。
「ショック、もう企業を信じて買えない!」と感想を述べた若い方に対して、年配の方が「自分も昔知った時はそうだったけど、始まりはそれでいいと思う。まず知って、ショックを受けて、そこから自分でいろいろ調べたり、できることをできる範囲で動いていけばいい」との貴重なアドバイスがあったり、「このメーカーの商品は良い、悪い」といった情報交換もあったり、とても盛り上がる交流となりました。
参加者は皆さん、普段から自然栽培や地産地消などに取り組むなど、グローバリゼーションよりもローカリゼーションを意識している方が多かったのですが、「何も知らない人にこそこの映画を見てほしい」との声がありました。また「一度では情報量が多かったので、また見たい」との声もありました。
こちらは2018年公開のコロナ禍以前の映画であることもあり、ある程度現在と比較して見ることができました。そして、現在の社会の傾向や大国の主義・主張を思い起こしてみると、やはり貧富の差をはじめあらゆるところで分断が加速化してしまったと判断せざるを得ません。昨今の米騒動もそうですが、システムや経済にとにかく振り回されてしまう、大きな流れにのまれてしまう、わたしたちはこれでいいのだろうか?という疑問が止みません。個人が「消費者」というより、「市民」という感覚を持ち、大企業や資本家などが国家と結びつき、経済力により権力行使がまかり通る現代の経済優先の社会構造を、政治や教育によって変革していくことをなさない限り、人類と地球の本当の意味での「持続可能性」は高まらないだろうな、と想像しています。