ハーブ&ドロシー アートの森の小さな巨人
ジャンル
多様性 伝統文化 社会変革 時間 87分
製作年2008年
監督 佐々木芽生
全世界を感動で包んだ話題のドキュメンタリー
ごく普通の市民が、アメリカの国立美術館に2000点以上のアート作品を寄贈した!?
奇跡を起こした情熱の老夫婦、ハーブとドロシーに拍手喝采!!
郵便局員のハーブと、図書館司書のドロシー、
夫婦共通の楽しみは現代アートのコレクションだ。
選ぶ基準はつたつ。
(1)自分達のお給料で変える値段であること。
(2)1LDKのアパートに収まるサイズであること。
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About the film
アートコレクターといえば、誰もが大きなプール付きの家に住む、庶民とは関係のないお金持ちを想像するだろう。しかし、国立美術館にコレクションを寄贈したこの稀代のアートコレクターが、小さなアパートに暮らすごく普通の老夫婦だといったら驚くはず。
『ハーブ&ドロシー』は、実在する現代アートコレクター、ヴォーゲル夫妻を追った感動のドキュメンタリー作品。公務員のふたりがいかにして膨大なコレクションを築いたのか?― その秘密を明らかにしながら、次第に“ほんとうに豊かな人生”のあり方を浮き彫りにしていく。お金儲けのためではなく、ただひたすら二人三脚で好きなモノを集めてきたふたりの姿は、発見する喜びと夫婦愛に満ちている。アートの知識なんてなくても、彼らの人生に触れれば、ほんの少し世界が変わって見えるはずだ。
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やがてふたりの存在は全米で話題となり、一躍有名人に。だが、彼らはコレクションの数点を売りさえすれば大富豪になれたにもかかわらず、ただの一作品も売ることはなく、いまも新婚当時から住み続けているアパートでわずかな年金でコレクションを続けている。
この現代のおとぎ話に衝撃を受けた佐々木芽生監督はふたりの姿を追ううちに、これは現代アートについての映画ではなく、豊かな人生を考える映画になると確信。ニューヨークでは口コミで感動が感動を呼び、17週のロングランを記録、その後、世界の映画祭で賞賛され大きな注目を集めた。日本でも2010年秋から全国50館を越える劇場で、ロングランを記録した。
Data
| 原題 |
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製作年 |
2008年 |
| 製作国 |
アメリカ |
制作 |
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| 配給 |
株式会社ファイン・ライン・メディア・ジャパン 配給協力:クレストインターナショナル、株式会社プラスディー |
時間 |
87分 |
Cast & Staff
| 監督 |
佐々木芽生 |
製作総指揮 |
カール・カッツ、キャッシー・プライス |
| プロデューサー |
佐々木芽生 |
原作 |
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| 脚本 |
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音楽 |
デヴィッド・マズリン |
| 撮影 |
アクセル・ボーマン |
編集 |
バーナディン・コーリッシュ |
| キャスト |
ハーバート&ドロシー・ボーゲル
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上映者の声
上映会を主催された方の声を紹介します
じいちゃんばあちゃんの映画です。
彼らが若いうちからのアート収集についての秘訣が滲み出る
人付き合いで人間関係が深まるコツを掴んだ
ヒントは自分で足を運ぶ、直接あって、話す。真剣に見る。よい、悪いではなく、真剣に作品に向き合う。
そこで作者との信頼関係が生まれる。
一度関係ができると、週一で電話する。
当時は電話が最新の通信手段。
アーティスト自身もアトリエに引きこもって作品とだけ過ごしている。
だが、ハーブとドロシーはギャラリーを周り、アート界隈の最新の状況を知っている。
だから電話がありがたい。
こまめな連絡大事。
作品を大事にすることで、信頼が深まる。
無茶はしない。
自分で運べる大きさ、収入に見合ったものしか買わない。ブレない。
ニューヨークのアート界で妖精と言われている理由がわかった。
アートは郵便局員だったが、アート収集の活動については同僚に一切明かしていなかった。
お互いがうまくマッチングした夫婦で、すごくよいな、と思いました。
人間関係のヒントをもらいました。
コツコツ誠実に生きるのは大事です。
自分で自分の生活に満足して、充足していることの大切さ、でした。
夫妻の現代アートへの熱量、行動力に驚かされる映画です。
前回上映のsimplifeと同じ世界観(自分にとって大切なもの)という作品。物を減らすsimplifeとは異なり、現代アート、コンセプチュアルアート、ミニマル・アートを集める夫妻の物語。
自分の好きをトコトン大切にする姿勢に勇気づけられる、夫婦の価値観が近いから成立している、工房に落ちているゴミ?を購入したいという行動に驚いたなど、新鮮な世界。
上映後には、ルネサンス以降のアートの歴史を作品とともに紹介し、夫妻の行動は奇行ではなく、よきアート理解者であることを補足させていただきました。
静けさの中に宿る熱 ― アートを通じて「共に生きる」ことを考える ―
「みなとTABUNKAシネトーク」として、今回は2回目の上映会。作品上映後は、前回と同様にグループに分かれてのトークを行い、参加者それぞれが作品を通じて感じたことや考えたことを自由に共有しました。
あるグループでは、「多文化共生」という本シリーズのコンセプトに照らして、なぜアートをテーマにしたこの作品が選ばれたのかという点に着目し、意見を交わしていました。私たちにとって「多文化」という言葉は、国籍や言語、文化だけでなく、個人の価値観やその多様性をも含んでいます。様々なテーマの作品を取り上げることによって、私たちがまだ出会ったことのない他者の視点や生き方に触れることができる──そんな可能性への期待を、私たちはこのシリーズに込めています。
私(担当者)も、この二人の姿から、理由や理屈ではなく「直感」に従う生き方について改めて考えさせられました。社会の中で何かと説明や効率性が求められる今、ただ「好きだから」「惹かれるから」という気持ちを信じて行動すること、その姿勢がもたらす豊かさに、深く心を打たれました。
今後もさまざまなテーマやジャンルの映画を通して、多様な視点に出会い、参加者のみなさんと共に考えを深める場を続けていきたいと思います。