た。私自身も映画を通して、ガザ地区の爆撃の様子や、医療現場に胸が痛くなるとともに、救急外科医を目指し奮闘するリッカルドをはじめとした若者たちの姿に勇気をもらいました。ユナイテッド・ピープルさんの全国47大学無料上映キャンペーンの案内を拝見し、私たちの大学内でも、多くの方々にこのガザ問題について関心を持っていただきたい、考えていただきたいという思いで、上映会を企画しました。上映会に来ていただいた方にもこの思いが届いたのではないかと感じています。また機会がありましたら、このような映画上映会を企画したいと思います。今回は素敵なキャンペーンをありがとうございました。
救急外科医になる夢を叶えるためにガザ地区に留学したイタリア人医学生の葛藤や成長を描くドキュメンタリー。
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©2021 Arpa Films
About the film
救急外科医を目指し欧州から初の留学生としてガザへ
イタリア人医学生のリッカルドは、奨学金を得て留学することを決意した。行き先は紛争地域であるガザ地区。友人たちは彼の安全を心配し、動揺を隠せない。しかし将来は救急外科医になりたいと考え、爆発性弾丸による外傷についての論文を書いている彼にとってのガザ行きは、医師となるための実践経験になる。周囲をフェンスで封鎖された「天井のない監獄」と呼ばれるガザに入るのは容易ではない。イスラエル、パレスチナ自治政府、そしてハマスの3つの異なる当局からの許可を得なければならないからだ。極めて複雑なプロセスを経て、欧州から初の留学生としてガザ・イスラム大学に到着すると、学長に歓迎され、ガザ内外のメディアから次々とインタビューを受けることになる。
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緊迫する医療現場で医師となる決意を固めていく
多くの期待と注目集める彼はプレッシャーを感じ始める。救急医療の現場に入り、本当に外科医に向いているのかと自らに問うなど、不安やストレスに潰されそうになる。悩むリッカルドを救ったのは、同じく医師を目指す医大生サアディなどのパレスチナ人の若者たちだった。やがて片言のアラビア語を話す彼は現地で人気者となり、徐々に自分の居場所を見つけていく。しかし、イスラエルとの紛争が再燃すると、リッカルドは難しい選択を迫られる。安全のためガザを一時的に離れた彼は、ガザを出られない友人達に心配を募らせる。しばらくしてガザに戻り、無事だった仲間との再会を喜び、絆を深めていく。そしてすぐに、緊迫する救急医療の現場へと飛び込み、傷ついた人々の治療に当たっていく。至近距離で爆撃を受ける体験をしながらも、彼は救急外科医になる決意を固めていく。
Data
原題 | Erasmus in Gaza | 製作年 | 2021年 |
---|---|---|---|
製作国 | スペイン | 制作 | アルパ・フィルムズ・プロダクション |
配給 | ユナイテッドピープル | 時間 | 88分 |
Cast & Staff
監督 | チアラ・アヴェザニ、マッテオ・デルボ | 製作総指揮 | |
---|---|---|---|
プロデューサー | エヴァ・フォンタナルス | 原作 | |
脚本 | チアラ・アヴェザニ | 音楽 | ミケーレ・ストッコ、ミルコ・カルチェン、 アレッサンドロ・グロッソ |
撮影 | マッテオ・デルボ | 編集 | アントニオ・ラッブロ・フランチャ |
キャスト | リッカルド・コッラディ-ニ、サアディ・イェヒア・ナクハラ |
Review(1)
24/07/30 17:34
上映者の声
た。私自身も映画を通して、ガザ地区の爆撃の様子や、医療現場に胸が痛くなるとともに、救急外科医を目指し奮闘するリッカルドをはじめとした若者たちの姿に勇気をもらいました。ユナイテッド・ピープルさんの全国47大学無料上映キャンペーンの案内を拝見し、私たちの大学内でも、多くの方々にこのガザ問題について関心を持っていただきたい、考えていただきたいという思いで、上映会を企画しました。上映会に来ていただいた方にもこの思いが届いたのではないかと感じています。また機会がありましたら、このような映画上映会を企画したいと思います。今回は素敵なキャンペーンをありがとうございました。
一方で、来場者アンケートの結果やその後の交流時間の参加率から、「問題を自分事として捉えてもらう」ことについては課題が残ったと感じました。映画が主人公の成長を中心に描いていたため、この点については難しい部分もあったかもしれませんが、映画の演出や客観性を評価するコメントが多かったことが少し残念でした。
自分たちに何ができるのか、小さなことでも行動したいと思ってもらえるような伝え方や企画ができていればと反省しております。

映画の中では、ガザの生活の過酷さや戦争の悲惨さだけでなく、ガザでの生活の美しさや、人々の豊かさについても見ることができました。
上映会後のオープンチャットでは、参加者の皆さんから、「ニュースで外側からのガザの様子を見るばかりだったが、映画ではガザ内からの視点で様子を知ることができた」「映画撮影当時よりも激化している今、私たちができることは限られているかもしれないけど、知ることを辞めたくない」など、映画を見た直後の消化しきらないそれぞれの想いが共有されました。
イベント終了後には、「このようなイベントをしてくれてありがとうございました」と多くの方から声をかけられました。
この映画は、今起こっている戦争の悲惨さをより知ることが出きることはもちろんですが、同じくらい、ガザの街や人の美しさを知ることができる映画でした。
ぜひ多くの方に見ていただき、今起こっていることについて何かアクションを起こすきっかけにしていただきたいです。
今回はこのような機会をいただき、ありがとうございました。
参加者は多くはありませんでしたが、教職員や大学院生も含む幅広い学年、世代の参加がありました。参加者に回答してもらったアンケートでは「日常にある異常さを感じられ、インパクトが大きいと思った」「パレスチナのことを遠い異国の出来事と感じていたが、映像にある人や雰囲気は日本の日常生活を想起させるところが随所に見られ、抵抗感が軽くなった」などの感想が寄せられ、学生がパレスチナに目を向けるきっかけとなったのではないかと思います。
何より、今回のキャンペーンを通して、上映会の主催メンバーの4人が出会えたことにとても意味があると思っています。大学内で、人権や平和、ジェンダーなどの話題について安心して話すことができる場は多くはないので、私たち4人の交流も今後も続けていきたいです。ガザの状況が改善するまで、パレスチナについて知ることができるような活動を継続していきます。
交流文化学科主催『医学生ガザへ行く』(ドキュメンタリー映画、2021年スペイン、チアラ・アベザニ/マッテオ・デルボ監督)上映会
増え続ける死者数の報道を前に、長期化するイスラエルの報復戦争を止めようとしない国際社会に無力感だけを感じる毎日ですが、映画配給会社「ユナイテッドピープル」による大学での無料上映会実施という有意義なキャンペーンがあり、約30名と多くはなかったものの、教職員・学生の熱心な聴衆を得て、上映会を実施しました。
今回の戦争前に撮影されたドキュメンタリーですが、救命外科医を志すイタリアの医学生が留学先にガザを選び、厳しい現実に直面する模様が描かれています。
なかでも、毎週金曜日にイスラエルとの境界に向かってデモをかける若者たちが狙撃兵に撃たれ、体内に入って破裂する非人道的な「爆発性弾丸」の使用により脚を失っていく模様は、占領/支配の残酷さを厳しく糾弾しています。
以下、参加者のアンケートからいくつかを紹介します。
「ニュースで見る報道とはまた違った切り口でガザ地区の様子が見られて驚きとショックでした。」
「地域によっては医者は常に死と隣り合わせで、日本の医療の状況とは違う緊迫感はとても刺激的だった。」
「EUの恵まれた環境下から紛争の真っ只中であるガザに医療実習に向かうという彼の決断力に感心した。爆発性骨折のような、通常では見ることのない怪我を目の当たりにする機会を得て論文に繋げ、そこから首席卒業をした彼を見て報われたような気持ちになった。」
上映会実施:2024年7月18日、W316教室
主催:外国語学部交流文化学科
対象:本学学生、教職員
報告文責:高橋雄一郎
・Aさん
映像を通して、ガザ地区ではいつ爆撃されるかも分からない現状であり、それに対しての恐怖心を日々感じている。日本は憲法9条があるため、戦争をすることはないが、ガザ地区ではこのような憲法はないため、爆撃は無差別にやってくる。そのためいつ命が無くなるかも分からない。また、その影響によって日々の生活に苦しむ人もいる。このような状況だと、人権が保たれていないと感じた。支援募金などを通して、少しでも苦しい生活が楽になるように協力して行きたい。
・Bさん
ガザの現状を知り、私は平和の重要性を考えた。ガザのように夜に爆弾が飛び、いつ自宅に当たってしまうか分からない状態、また、自宅がなくなってしまうかもしれない状態で過ごすことは精神的、身体的につらい状態であると考えた。そして、現在のリッカルド・コッラディーニさんのメッセージから、平和を求めることの大切さを学んだ。私たちの世代は戦争を経験していない人々が多い。そのため、未来でも平和のままでいられるように戦争の悲惨さを伝えていきたい。そして、現在戦争を行なっている国は一刻も早く終戦し、少しでも多くの人々が安心して暮らしていけるようにするべきであると考えた。