ザ・トゥルー・コスト ~ファストファッション 真の代償~
ジャンル
環境 教育 人権 社会変革 問題解決 時間 93分
製作年2015
監督 アンドリュー・モーガン
ファッション業界でも大量生産・大量消費が問題化
誰かの犠牲の上に成り立つファッションに変化が起き始めた!
トレンドはエシカル&フェアトレード・ファッション
ファッション産業の今と、向かうべき未来を描き出すドキュメンタリー
華やかなファッション業界の裏側の知られざる真実とは?リヴィア・ファース、ヴァンダナ・シヴァフェアトレードブランド「ピープルツリー」創設者サフィア・ミニー等登場。
ファッションを取り巻く悲惨な状況には何度見ても涙が出る
― サフィア・ミニー(ピープルツリー代表)
なぜピープルツリーのコレクションのデザインをしたのか知ってほしい。ザ・トゥルー・コスト を見て!
― エマ・ワトソン(女優)
©TRUECOSTMOVIE
About the film
これは衣服に関する物語で、私たちが着る服や衣服をつくる人々、そしてアパレル産業が世界に与える影響の物語だ。これは貪欲さと恐怖、そして権力と貧困の物語でもある。全世界へと広がっている複雑な問題だが、私たちが普段身に着けている服についてのシンプルな物語でもある。
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この数十年、服の価格が低下する一方で、人や環境が支払う代償は劇的に上昇してきた。本作は、服を巡る知られざるストーリーに光を当て、「服に対して本当のコストを支払っているのは誰か?」という問題を提起する、ファッション業界の闇に焦点を当てたこれまでになかったドキュメンタリー映画だ。
この映画は、きらびやかなランウェイから鬱々としたスラムまで、世界中で撮影されたもので、ステラ・マッカートニー、リヴィア・ファースなどファッション界でもっとも影響のある人々や、環境活動家として世界的に著名なヴァンダナ・シヴァへのインタビューが含まれている。またまたフェアトレード専門ブランド「ピープルツリー」代表サフィア・ミニーの活動にも光を当てている。私たちは行き過ぎた物質主義の引き起こした問題に対して、まず身近な衣服から変革を起こせるのかもしれない。
Data
原題 |
THE TRUE COST |
製作年 |
2015 |
製作国 |
アメリカ |
制作 |
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配給 |
ユナイテッドピープル 特別協力:ピープルツリー 協力:Dr.Franken |
時間 |
93分 |
Cast & Staff
監督 |
アンドリュー・モーガン |
製作総指揮 |
リヴィア・ファース、ルーシー・シーゲル |
プロデューサー |
マイケル・ロス |
原作 |
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脚本 |
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音楽 |
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撮影 |
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編集 |
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キャスト |
サフィア・ミニー
ヴァンダナ・シヴァ
ステラ・マッカートニー
ティム・キャッサー
リック・リッジウェイ ほか
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上映者の声
上映会を主催された方の声を紹介します
この映画の上映を決めたのは、南米チリに世界中から洋服が集まってきていて、そこにあるアタカマ砂漠に大量に捨てられていて、まさに「洋服の墓場」になっている、という全国紙上の新聞記事を目にしたからです。
これまで「ファストフード」という言葉は聞いたことがあるものの、「ファストファッション」という言葉は初めてでした。それが何を意味しているのか。この映画で取り上げられているのは、ファッション業界のブランド企業と、劣悪な環境・低賃金で働かせられる縫製労働者、原料となる綿を栽培する農家と種子を独占するグローバル企業の関係、農薬による環境汚染、自殺に追い込まれる農業者、皮革製品の製造過程で垂れ流される汚染水、飲み水や地下水の汚染とその影響を受ける村民の姿などなどです。安価な洋服が大量に消費されるファッションの世界、そしてそこで起こっている様々な問題を知ることができました。「私たちの血でつくられた洋服を着ないでほしい。もうたくさんだ」という労働者でもある母親の言葉が強く印象に残りました。
参加者からは、「若い人にも見てほしい映画ですね。今回も真の豊かさを考えさせられました。少し勉強していた内容ですが、改めて身につまされました。フェアトレードな商品を選ぶ人になりたい。ピープルツリー、実は愛用しています。good choiceでした」「「血で作られている服」印象強く残りました。少ないわずかなお金で生きていくために犠牲者が増える。ファーストフード、ファッションetcが生態系も多様性も命も地球もけずってゆく。システムの変更、私ができる事は?」「まったく無知なことでした。中国、ベトナム、そしてカンボジア…。H&Mは本当に安くて、いいなあなんて買っていました。で、安く作られている事は知っていましたが、正当に支払われていると思っていました!裏側を知り、おどろきました。やはり知ることは大切です」「厳しい映像に目を覆い、自分の無力さを痛感しました。「エシカルコンシューマ」という内容が10年位前から教科書にのるようになりました。世界規模での現実を知る(学ぶ)ことが大切です。しかし、今、世界の主要リーダーが〇〇ファーストの名のもとに国際法すら無視する現実に失望を覚えます。「システムを変える」、私達はどう行動すれば良いのでしょうか」などと多くの感想が寄せられました。
とても多様な要素の詰まった映画でした。少し、巨大会社と政府にたいしての憎しが強く出すぎている面もありましたが、教育・メディア・貧困への支援・環境汚染・人権・資本主義・トレンド・持続可能な社会・農業・消費行動などなど、とても多面的な内容だっただけに、感想共有をみんなと行うことがとても大切でした。
今回は参加者全員がディスカッションに参加されましたた。世界政治的なグローバルな視点で捉えた方、個人的な視点での捉え方、双方の貴重な意見を聞くことができました。この先手に取る一着について、この背景を想像し、ここへ来るまでの物語に思い巡らせようと思いました。10年前の作品ですが、現状は今も変わっていないでしょう。自分一人の価値観が何かを変えれるとは思わない。でもなにか行動を起こすとすれば、もしくは関わらないという行動を起こすとすれば、不買運動になるのでしょうか。などと考えされた時間でした。
ザ・トゥルー・コスト ~ファストファッション 真の代償~
2016年の映画。
約10年前の状態を切り取った内容。
まあひどい。
相手よりも少し安ければ仕事をもらえる、という状態がエスカレート。
工場同士の値下げ合戦の循環が起こった。
その結果どうなるかは誰も考えなかった。
景気が良くなったかのような錯覚は起こったが、10、
20年単位でみると、破壊と搾取でしかない。
結果何千人もの人が死ぬことになった。
建物にミシン、従業員をみちみちに詰め込み、「出して欲しい」と要求したのに、出してもらえず、建物が崩壊した。
「少しでも安くしないと従業員を養えない」という思考から、誰も抜け出せなかった。
考えればわかる、と思うが、考える方向について、なぜ目をつぶってしまうのか。なぜだ。考えないようにしている、としか思えない。
「世の中のセオリーどおりにやってるだけですけど」と思っているのだろう。
発注する方もおかしい。考えれば結果がどうなるかはわかるはず。
発注担当は「私達がやっていることは服をつくるだけ。何の危険もない」と発言。「発注して、糧を作っているのだから、よいことをしているはず」とも。
びっくりした。
現地での循環経済を壊しているだけなのに。
10年経って、企業は変わったのか?工夫しているのか?知りたい。
自分にできることは、こういったことに加担しないところから購入することだけ。
服作りや服の流通、農業に関わる方が参加して、大変活発な意見交換がされました。
なんとなく知っていたファストファッションの過酷な労働状況について、現場の人びとの環境や声を聞くと、事態の深刻性がリアルに感じられました。
また、服に使われる綿栽培の農薬問題についても深く取り上げられていて、農薬と病気の因果関係を立証できないから、では済まされない恐ろしさを感じました。
いただいた感想を紹介します。
・大量生産の服を作るのに、多くの貧しい人が安い賃金で働かされ、自然も破壊され、自然破壊による大気、食物、水など、最終的には人間に戻ってくることを世界中の人が理解し、少しづつでもいいので、継続的な行動を起こしてもらいたいと思いました。
やはり、それには子供の学校教育にもっと取り入れていくべきだと感じました。
・ファッション生産の裏側に潜んでいる、過酷な労働環境、暴力、環境破壊、健康被害、教育機会の剥奪、地域経済の破壊、、
実際の苦しみの現場と、その犠牲のうえに成り立っているファッション業界の矛盾、(自分を含めて)そこから生活の糧を得ている人に加えて、さらに余剰利益を得ている人がいる構造があること。
利益構造の歪み・アンバランスさを痛感させられる映画でした。
・とてもショックでした。他国の人が安い賃金で縫製してくれていることは漠然と知っていたものの、賃金を少し上げてと訴えただけで暴力で封じ込められるような世界だったとは…。Tシャツ1枚買うにもこれからは胸が痛みます。
10年以上前から言われているファストファッション問題なのに、ファストファッションは衰えるどころか、ウルトラファッションまで台頭して、ラナ・プラザの悲劇は風化していきます。
多くの人がこの映画を観て、綺麗な服の裏側を知り、行動を起こすことを願っています。