最後の楽園コスタリカ ~オサ半島の守り人~
ジャンル
環境 教育 社会変革 問題解決 時間 51分
製作年2015年
監督 オースティン・アンドリュース
地球上で最も自然が豊かな場所の一つコスタリカの豊かな生態系を守った人々のドキュメンタリー
About the film
地球上の宝石のような自然豊かな国コスタリカ
コスタリカは、1948年に軍隊を撤廃した非武装永世中立国。平和で社会福祉が充実し、国民の幸福度も高い。しかし、世界的により知られているコスタリカの魅力は豊かな自然だ。コスタリカは世界的にエコツーリズムの発祥の地として知られ、人気のデスティネーションとなっている。広大なアメリカ大陸のど真ん中、中米に落とされた宝石のような存在で、四国と九州を合わせた程度の大きさに、地球上の全動植物種の約5%が生息しており、単位面積当たりの生物多様性世界一とされている。そして、国土の約4分の1を自然保護区または国立公園にしている。
More info
乱開発で一時は激減した森林を復活させた「守り人」たち
そんなコスタリカの南西に、地上で最も生態系が豊かな場所、オサ半島がある。まさに地球上の至宝であるこの豊かな自然も、無計画な伐採や採掘で消滅する危機があった。一時期、コスタリカでは森林面積が約2割まで激減。しかし、「守り人」たちの活躍で、半島の森では今もジャガーが歩き、コンゴウインコが羽ばたき、岸辺にはザトウクジラの姿も見られる。これは半島保護に人生を捧げた人々の物語で、「コスタリカ国立公園の父」と讃えられるアルバロ・ウガルデやエコロッジのオーナー等が登場する。気候変動への対策が急がれる今、オサ半島の成功は世界が学べるモデルを示している。
Data
| 原題 |
OSA: The Jewel of Costa Rica |
製作年 |
2015年 |
| 製作国 |
アメリカ |
制作 |
Inflection Studios |
| 配給 |
ユナイテッドピープル |
時間 |
51分 |
Cast & Staff
| 監督 |
オースティン・アンドリュース |
製作総指揮 |
バリー・アンドリュース |
| プロデューサー |
ドシー・アンドリュース |
原作 |
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| 脚本 |
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音楽 |
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| 撮影 |
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編集 |
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| キャスト |
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上映者の声
上映会を主催された方の声を紹介します
上映会には6人の方が参加してくれました。
アフタートークではいろんな意見が出てきて刺激的でした!
●「コスタリカの人たちが抱えている問題意識」と「地域で感じている問題意識」がかなり重なっていると感じた。環境を守りたいと意識しているのは「少数派」。多数派の人が環境を守る方向を向くには、「自然を守ることが、お金や楽しさにもつながる」仕組みが必要かも。
●開発を進めたい企業・資本と、それに対峙する団体や住民との間で議論し続けられる環境があることが、「誰か一人の意見に9割寄らない」健全さだと感じる。経済資本(目先のお金)だけでなく、文化資本(地域の技や歴史、つながりなど)を貯めておくことで、冬のような厳しい時期が来たときに、それを提供する側になれるのでは。
●地球誕生の歴史から見ると、圧倒的に歴史の短い人間。その人間のスケールで想像できる「自然保護」や「持続可能」がどれだけのものか疑問がある。主流やトレンドといったことから少し距離を置いた「深海魚」のような生き方をする人・商いに、長く続くヒントがあるのでは。
また、「環境保護」もそうだが、海外の言葉と日本の言葉、会話できていても実は文化によってとらえる意味が違うこともあると感じた。
●クマの出没やメガソーラー、人工林の問題など、日本の自然・開発の事例を思い浮かべながら、何が本当に良いのか、人間の生活とのバランスの難しさを感じている。
●「環境の豊かさを外国人に教えられて初めて気づいた」というセリフが印象に残っている。住人は当たり前すぎて価値に気づきにくい。環境が破壊された後にまたそれを戻せるということに、対話ができる素地を感じる。日本が学ぶべきことがあると思う。
みなさんの率直ないろんな意見を交換して、とても学びのある会となりました。
今回は長野善光寺の「もんぜん千年祭」のプログラムの一つ「もんぜん町劇場」に参加する形での上映会でした。いつもより多くの人が、コスタリカの映画に興味を持って集まりました。
見終わって直ぐに「映像の中の自然や動物たちが美しくて素晴らしかった」という感想が多く聞かれました。「一旦は牧草地や農地などにするために切り拓かれ、減ってしまった森林をまた増やすことができたなんて、とても希望を感じた。」「自然保護について声を上げる人はいるが、小さな国で実践して成果を上げていることが素晴らしい」なども。「森林を増やすことが出来たのは良いが、畜産業から観光業へのシフトという資本主義的な形には限界を感じた。良いことをするためにも、お金が絡まなければならないのか」「コスタリカのコーヒーは美味しい。でも大規模な農園ではなく小規模な農園で作っているらしい」などなど、上映後のカフェタイムでもお互いに感想を共有できて楽しいひと時となりました。
元青年海外協力隊の方と奥様であるコスタリカ人のご夫婦と、自然活動をされている方とお友達、などコスタリカやエコツーリズムに興味のあるみなさんが参加されました。
コスタリカ人にとっては、オサは中心地から距離があるため、地元で有名な観光地ではない(20年前くらいはそうじゃなかった)という意見がありました。(ココ島などのほうが有名だとのこと)だからこそ珍しい生き物が残っているのかも、ということでした。
千葉県館山エリアで自然活動をしている方からは、自然保護に関しては、地元よりも都市部、年寄よりは若い人が関心が高い、ということでした。やはり教育が大事であるというお話でした。
地域や観光、教育についていろんな意見が飛び交う会となりました。
自然保護と経済発展、そこに暮らす人々の意見や思いを
どちらも知ることができます。
きっと自然を愛する気持は人類共通で、共生や折り合いをどうつけていくのか…外国から土地を買われてしまっているという点でも日本と重なる部分が多く考えさせられます。登場する色鮮やかな動植物にも癒される作品です。
確かに、コスタリカの自然保護は素晴らしいし、ここまで持続していることに驚嘆します。
しかし、やはり現地の人々の仕事、観光、企業、などから問題は生じてしまうのだなと、、、
「私は環境保護に反対ではない。それでも開発が必要なんだ。真の意味での持続可能な開発が。」
「反対するなら、ちゃんと代替案を示してほしい。それもいますぐに。」
という声が痛かったです、、、
でもそれが真実。
人間の生活が前提での自然保護という、現実を見せつけられました。
しかし同時に、可能性も感じました。
コスタリカの森は二年間で20倍にまでふくれたそうです。
完璧に自然を保護していくのは難しいかもしれませんが、できることはかなり大きいのだなとオサの人々をみていて思わされました。
少しずつでいいので、地球全体であのようなムーブメントが起きたらいいのに、と願っています。