監督が世界一周しながら「エコの嘘」の実態を体当たり取材!
この映画を観たら気軽にスーパーで買い物できなくなるかもしれない。
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©e&a film
About the film
スーパーで見かける「環境に優しい」商品。
商品を買うと世界を救えるは本当?確かめるため監督自身が世界一周調査の旅へ出る。
「環境に優しい」「サステナブル」耳触りの良い言葉の裏側に隠された残酷な真実に迫るドキュメンタリー。
More info
スーパーで見かける「環境に優しい」商品。買うだけでオランウータン、海、そして熱帯雨林まで救えるというが本当だろうか?確かに「お買い物は投票」というように一人ひとりの消費行動は企業に影響を与える力がある。でも、本当に正しく消費するだけで世界を救えるのだろうか?ヴェルナー・ブーテ監督は、グリーンウォッシングの専門家カトリン・ハートマンとスーパーを訪れ、カップスープ、ピザやドレッシングなど多くの既製品に「持続可能な」と表示のあるパーム油が使われていることを知る。「持続可能なパーム油なんてない」と主張するカトリンに驚き、実態が知りたくなった監督は世界一周航空券を買い、ハートマンと一緒に旅に出た。
2人がまず向かったのは、パーム油の生産量世界一のインドネシアだ。現地の活動家の案内で、数日前まで熱帯雨林だったがパーム油農園を拡大するため企業により不法に焼き尽くされた土地を訪れると、監督はその痛ましい惨状を見て絶句する。どうしても普段の買い物と、森林破壊が結びつかない。どうすれば環境破壊をせずに済むのか?買わないことなのか、正しい消費の選択をすることなのか? 2人はブラジル、ドイツ、米国を巡って、様々な業界の実態を調べていく。そして著名な学者ノーム・チョムスキーなどに解決方法を聞きに行く。持続可能な未来のために、私たち一人ひとりがどう行動するべきか問うドキュメンタリー。
Data
原題 | The Green Lie | 製作年 | 2018年 |
---|---|---|---|
製作国 | オーストリア | 制作 | e&a film |
配給 | ユナイテッドピープル | 時間 | 97分 |
Cast & Staff
監督 | ヴェルナー・ブーテ | 製作総指揮 | |
---|---|---|---|
プロデューサー | マーコス・ポーゼー、エリッヒ・シンドレカ | 原作 | |
脚本 | ヴェルナー・ブーテ、カトリン・ハートマン | 音楽 | |
撮影 | ドミニク・シュプリッツェンドルファー、マリオ・ホッチル | 編集 | ガーノット・グラスル、ローランド・ブッジー |
キャスト | ヴェルナー・ブーテ カトリン・ハートマン ノーム・チョムスキー ラージ・パテル ヴィンセント・ハンネマン ディーン・ブランチャード スコット・ポーター ソニア・グァジャジャラほか |
Review(2)
上映者の声
*メキシコ湾が汚染事故は抽象的には知っていたが、BPが化学物質を投入して石油沈殿を図り―流出被害の非可視化目的?―回収を困難にしていたことは初めて知った。
*EV生産のため(蓄電池のため?)の発電に石炭が必要でその採取のために大規模な大気汚染が起きている実態も見ることができてよかった。
*チョムスキーへのインタビューや、紹介されているデモのバナーで、新自由主義や自由貿易の害が強調されていた点が予想を超える収獲だった。映画の後の主催者としての来場お礼挨拶の中でこの点に触れたせいかアンケートには新自由主義という語を書いてくれた方が目立って、開催した甲斐があった。
*エコの嘘を告発している映画を配給してくれているわりに、
欺瞞だらけの“SDGs”のロゴで、HPが満ちているのに疑問を感じる。
我々は「消費者」ではなく、「市民」であるべきだという言葉が、深く胸に刺さりました。
感想会では、買い物をするときにどのような視点で商品を見ているか?といった共有や、デモの有効性について話し合うなど、話題が多岐にわたり、とても和気あいあいと進むことが出来ました。
以下、感想会で出た内容です。
「映画の内容についての感想」
・今日はたまたまこれから買い物に行くが、自分のゴミを持って行って捨てようと思っていた。自分では気を付けているつもりだったが、何も知らなかったことに気が付いた。油を3/4も海に捨てたのが信じられない。
・パーム油を知らなかった。自然破壊にショックを受けた。人間が豊かになるために破壊してはいけないものだと思う。知ってしまったら、何をするのも怖くなる。
・知ってしまったら、気軽に買えなくなる。良いものを買おうとすると、値段が何倍もする。だから、今まで持っていたいらないものを捨てて、良いものを買うしかないと思う。安いものは良くないんだと複雑な気持ち。
・企業は都合のいいように伝えている。知り合いに熱帯雨林で活動している人がいるが、状況は悲惨。映画を見て、一層その気持ちが強まった。市民が立ち上がって世界政府を作るべきだではないか。このペースだと、2030年にアマゾンの原生林が無くなってしまう。
・シャンプーなどにパーム油が使われなくなったら、値段が上がる。焼畑農業は今の日本でもしているところがある。原生林を焼いてヤシ畑を作るのも悪いことではないのではないか。日本が、炭の木を切って植えているようなもの。
「サスティナブルとは?」
・個人では達成できないこと。
・大東市は粗大ごみが有料になるが、捨てずに利用できるものはしてほしい。
・企業にゆだねている時点で駄目。
・服をぞうきんにするなど、個人でできることをする。
└ユニクロへの寄付など、別の視点もある。
・包装紙を減らす。
・物にとらわれがちだが、人間関係もサスティナブルでないといけない。
・会社でペットボトルをやめる運動をしているので、部下がペットボトルを使っていたら怒らないといけない。コンビニにもペットボトルしか置いていないし、精神的にも負担になっている。
└代わりになるもの(紙パックなど)を増やしてほしい。
スターバックスコーヒーなど、量り売りをしている。
⇔量り売りは衛生面が気になる。
・制度がサスティナブルを推奨するようになっていると、やりやすい。
・トウモロコシから作ったコップの話を見たことがある。
・バイオマス燃料もサスティナブル。
・産業大で、ひまわりの種で走る車を研究していた。
└儲けがないから続かなかった。
→利益を求めると環境が破壊される?
・世間の意識が変わると、株価に影響が出る。
└エコな取り組みを行っている会社が、その取り組みが評価され、株価が上がった事例がある。

参加者アンケートからは、
「スイッチを入れられた感じです。気づきのためのショック(笑)。」
「利益よりも地球という視点が全企業に浸透していくと良いと思いました。」
「何が真実なのか、1つの表示にまどわされてはいけないなと思った。」
「(中学校の授業では)企業側の視点をここまで掘り下げたものを見たことがなかった。」
など、映画を観ての驚きや気づきなど、子どもから大人までがぞれぞれの視点で社会課題を体感した上映会&講演会となりました。
それでも尚、私はこれからも、さまざまな認証を参考にして生活をおくるだろう。なぜなら、この地球上のたくさんの場所で起きていることに想いを馳せるとき、認証という仕組みがなければ世界はもっと酷いことになっていると感じるからだ。今の社会システムが次のステージに進むための手段としての可能性を持つ認証制度そのものを批判するだけでは、持続可能な社会づくりに貢献することにはならない。悪いのは認証そのものではなく、その仕組みを悪用する既得権益者と、認証を盲目的に信じる私たち生活者だ。私たち全員の幸せにとって欠くことの出来ない持続可能な社会を実現するには、一人ひとりが自分自身の目を、耳を、感覚を研ぎ澄ませて、真実に迫る努力をするほかないということを、改めて突きつけてくれるありがたい作品だ。
― 末吉里花
エシカル協会代表
***
危機を乗り切るためにユーモアが大切であることを、僕はグリーンランドや南米パタゴニアのフィヨルドや氷河を人力で旅した仲間から学んだ。僕にはない資質を持ったその友人は、状況が深刻になればなるほど独特のセンスを発揮して皆を笑わせた。今、人類は未曾有の危機を迎えている。状況を深く知れば知るほどシリアスにならざるを得ない。でも多くの人々は暗いニュースは好きではないし、耳に痛い話は本能的に避けようとする。大切なことは問題解決への近道を見つけることで、多くの場合、怒りよりもユーモアの方が状況を良くすることに繋がる、というのが今のところの僕の考えだ。そう言う意味でも、この映画の意義は大きい。
― 辻井隆行
元・パタゴニア日本支社長
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“グリーン・ライ”を終結させるためには、大量消費主義と闘う原動力を、魂の底から掘り出さなければならない。わたしたちは、今この瞬間から選ぶことができる。このままウソをつき続けて金を得るのか、それとも、使命に従い自らの命を全うするのか。
― 井出留美
食品ロス問題ジャーナリスト
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SDGsの影響で、遂に大企業もサステナビリティを掲げるようになったが、すべてを鵜呑みにしてはいけない。この映画が暴くその事実を知って「消費する恐怖」がより高まった。さあ、あなたはこれからどうする?
― 四角大輔執筆家・森の生活者
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https://unitedpeople.jp/greenlie/rv