正義に反するなら声を上げる。たとえ、たったひとりでも━━
9.11同時多発テロ後、無制限の大統領権限にただ一人反対票を投じた米国下院議員がいた。
全米黒人地位向上協会イメージ・アワード最優秀ドキュメンタリー賞(2022年)
ハーレム国際映画祭最優秀監督賞(2021年)
ベルリン国際黒人映画祭最優秀作品賞(2021年)
ポーランド・アメリカ映画祭観客賞(2020年)
©2020 GINZBERG PRODUCTIONS
About the film
2001年アメリカ同時多発テロ後、報復のために大統領が議会の承認無しに戦争を始めることができるという武力行使容認決議に、ただ一人反対した下院議員がいた。彼女の名はバーバラ・リー。ブラックパンサー党のボランティアからキャリアをはじめたリーは、連邦議会でまだ数少ないアフリカ系女性議員の一人である。「人種差別と社会差別の問題は、生まれた時から私に深く関わっている」と、人種差別、貧困、教育、ドラッグなど多岐に渡る政策課題を掲げ、人々の声に真摯に耳を傾ける一方、HIV・エイズの問題には党派を超えグローバルな対策を進言し、ブッシュ大統領(当時)にも協力を求めるなど、真の問題解決と社会正義の実現を目指し取り組む。本作では「民主主義の根幹には異議を唱える権利がある」と、長年民主主義的な政治姿勢を貫き、後進の育成にも尽力する彼女の姿を追う。
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<無制限の大統領権限に反対票を投じた信念の人>
2001年アメリカ同時多発テロ後、報復のために大統領が議会の承認無しに戦争を始めることができるという武力行使容認決議に、ただ一人反対した下院議員がいた。彼女の名はバーバラ・リー。報復感情一色に包まれていた当時のアメリカで、武力行使の抑制を求め、議会が大統領に白紙委任状を与える決議に断固として反対したのだった。裏切り者と非難され、殺害予告すらあったが、徐々にリーの勇気を支持する声が届き始める。作家のアリス・ウォーカーや俳優のダニー・グローヴァー、地元の支援者らが彼女を支えた。本作では「民主主義の根幹には異議を唱える権利がある」と、長年民主主義的な政治姿勢を貫く彼女の姿を追う。
<さまざまな分断を乗り越え、社会正義を実現するために>
ブラックパンサー党のボランティアからキャリアをはじめたリーは、連邦議会でまだ数少ないアフリカ系女性議員の一人である。「人種差別と社会正義の問題は、生まれた時から私に深く関わっている」と、人種差別、貧困、教育、ドラッグなど多岐に渡る政策課題を掲げ、人々の声に真摯に耳を傾ける一方、HIV・エイズの問題には党派を超えグローバルな対策を進言し、ブッシュ大統領(当時)にも協力を求めるなど、真の問題解決と社会正義の実現を目指している。また、黒人女性として初の大統領選にも出馬したシャーリー・チザムや、師と仰ぐロン・デルムズ下院議員の意志を継ぎ、後進の育成にも尽力している。
Data
原題 |
Barbara Lee: Speaking Truth to Power |
製作年 |
2020年 |
製作国 |
アメリカ |
制作 |
Ginzberg Productions |
配給 |
ユナイテッドピープル |
時間 |
83分 |
Cast & Staff
監督 |
アビー・ギンズバーグ |
製作総指揮 |
ジョナサン・ローガン |
プロデューサー |
ジョスリン・ローズ・ライアンズ |
原作 |
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脚本 |
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音楽 |
オセイ・エセド |
撮影 |
アシュレー・ジェイムズ、ヴィンセント・フランコ |
編集 |
ステファニー・メチュラ |
キャスト |
バーバラ・リー、コリー・ブッカー、アヤンナ・プレスリー、アリス・ウォーカー、アレクサンドリア・オカシオ=コルテス、 ダニー・グローヴァー、ジョン・ルイス、カマラ・ハリス
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上映者の声
上映会を主催された方の声を紹介します
この上映会は、私たちの法律事務所が、クライアントや取引先、メルマガ読者の方と不定期に開催している交流会の一環として企画したものです。
私たちは、Challenge、Equity、Shareという3つの価値観を大切にして、サービス提供や組織づくり、コミュニティ運営をしています。
今回、「バーバラ・リーの闘い ~権力を恐れず真実を~」を上映作品としてとりあげたのは、権力に屈せず、自らが正しいと思うことを信念を持って貫いた一人の女性政治家のストーリーを通じて、日本人である私たちが、終戦から80年というこの節目のときに、民主主義、平和、貧困や差別との戦いについて、考え、対話するのによい題材になると思ったからです。
お盆前の金曜日の夜ということで、参加者は多くはありませんでしたが、若者支援の団体の代表とスタッフ、20歳の大学生、70代の福祉士施設の経営者、産業医、弁護士、PR会社の役員、国際NGOの理事長など、様々な年代、職業・経歴の方にご参加いただけました。
上映後の対話の時間では、2分間それぞれの思いや考えを整理する時間を取ったうえで、3人一組に分かれて、感想をシェアしました。
参加者それぞれの立場から、映画の感想を言葉にして伝え合うなかで、主人公の生き様から勇気をもって信念を貫くことの重要性を学んだ、自分のこれまでの人生や活動の意味を見つめ直した、同じ映画を見て語り合うことでいろんな気づきがあった、自分も施設で保護者や利用者を招いて上映会をやってみたい、貴重な機会をありがとう、というような声が聞かれました。
普段の仕事と生活のなかではなかなか作ることのできない、ゆっくりと考え、言葉を交わす時間を、提供できたのではないかと思います。
この作品に巡り合えなければ、今回の企画は実現しませんでした。貴重な機会をありがとうございました。