川口由一の自然農というしあわせwith辻信一
ジャンル
環境 多様性 伝統文化 社会変革 時間 60分
製作年2011年
監督 *
いのちあるものは、田畑に生かされていることに気づいた。ここでしっかりと生きていこう。ー川口由一
About the film
自然農とは何を意味するのでしょう? それは、こんがらがった糸をほどくように、農耕という営みの大もとへと辿り直すことにちがいありません。農業を超えて、川口由一さんの物語はすべての人に開かれています。それは、人が人として生きる意味を、人がひとつのいのちとして生きる意味を、そして人が個々の自分を生きるということの意味を語ってくれます。今こそ、川口さんの言葉に耳を傾け、その生き方に溢れている美しさや愉しさを見つめてみましょう。そこには、大転換期を幸せに生きるための智恵が詰まっています。ー辻 信一
More info
いのちあるものは、田畑に生かされていることに気づいた。ここでしっかりと生きていこう。ー川口由一
「自然農の田畑に立って、いのちあるお米と向き合うと、まことの喜びに出会えます」自然農とは農業のやり方を言うのではない。「自然とはなにか」「いのちとはなにか」を考え学ぶ概念であり、自ずから然らしむる“いのちの営み”に寄り添う生き方そのものだと川口さんは言う。永く自然農を実践してきた川口さんの言葉と、自然農によってつくりだされた田畑の美しさや豊かさは、自然と生きる歓びや、農にかかわる楽しさを教えてくれるだろう。
いのちの道へ-川口さんの言葉
・自然農への転換は、生き方を問い直すことからはじまる。
・太陽の恵みを、風の恵みを、空気を、水を、すべての自然の恵みをもらって、ここで生かされてるんだな…。
・生きるのに必要なものをもたらしてくれるのは、いのちの営みのなかでつくりだされる自然の恵みしかない。
・自力のところでは100% 自分を全うし、他力のところでは100% 生かされる存在。
・地球に存在するすべてのいのちは一体。
・いのちがいのちの営みのなかで、いのちの姿をあらわすことに感動がある。
・どこにしあわせがあるのかを悟ったならば、生かされるなかで、平和に生きることができる。
・自然農とは「いのちの道」「人の道」「わが道」を同時に生きること。
Data
原題 |
|
製作年 |
2011年 |
製作国 |
日本 |
制作 |
ナマケモノ倶楽部 |
配給 |
株式会社素敬 ゆっくり小学校 |
時間 |
60分 |
Cast & Staff
監督 |
* |
製作総指揮 |
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プロデューサー |
馬場直子 |
原作 |
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脚本 |
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音楽 |
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撮影 |
本田茂 |
編集 |
本田茂 |
キャスト |
川口由一、辻信一、キムナムヒー
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上映会主催者の声
上映会を主催された方の声を紹介します

SDGsフィルムフェスティバルの1作品として上映させていただきました。自然農やオーガニック に興味を持ち始めている人が増えてきたのを鑑み、川口由一さんの思想と実践を紹介する方法として映画を選ばせていただきました。
参加者は、実際に自然栽培を行なっている方にご覧いただきました。慣行農法が流通している地域である故、まだ実践者として思い悩むところもある中、「川口さんのメッセージに、勇気をもらえた」と喜んでいただくことができました。「自然栽培の稲作の周期は慣行とずいぶんズレているんだね」と昨今早くなってきている田植えや稲刈りに、暦とのズレをひしひしと感じました。
上映後は、自然農法の手法を取り入れた「シードボールづくり」を体験していただきました。体験中、「自家採取した自然栽培固有種の種を交換しよう」など、シードバンクへのアイデアも生まれ、いい時間となりました。
上映後に感想を話し合う時間をとり、自然農にとどまらない農への理解や、現実と理想の葛藤などが深まりました。
映画を中心に、他者の理解や活動意欲、つながりが生じる会になったと思います。
穏やかな映画かつ時間も60分と短めだったので、高齢者の多い会でも、疲労感少なく鑑賞でき良かったです。

終了後、4つのグループに分かれて感想を話し合いました。
・命は全てつながっている。
・効率や経済を求めているが、実際は非効率、非経済でる。
・社会の一部を変えようとしても変えられないとのあきらめの中に生きている事に気づいた。自分の出来る事を一目を気にせずやる事の重要性に気づいた。
等が話されていました。川口さんの生き方を貫く姿に人の行動に変化を与える力を感じました。

紛争や気候変動で食糧の供給が滞ったり、畜産業の餌、農業の肥料など品薄になっています。効率をめざした農業では様々な面で輸入に頼ってきたけれど、こういった時代にはそれは思いがけないほど脆弱で、食料自給がもともと低い日本では、食糧危機が訪れるかもしれないと言われています。
そんな中、今こそ大地の力を信頼し、不耕起不施肥で自然と共存する自然農が、リジェネラティブ農業、カーボンファーミングとしても注目され始めています。
ということで上映を決めたのですが、大地と自然の中で、生きること、すべての命が等しく価値ががあることや支え合い、分け合うことなどを語る川口さんの言葉は、お坊さんや哲学者のような重みがありました。淡々と、農と芸術を生きる姿に感銘を受けました。
参加者の感想や気になった言葉も、それぞれの仕事や経てきたものによって違いますが、古い作品ではあるけれど、今こそ見たいという点ではみな一致していました。
映画を見に来ていただいた方からは「すばらしい」「もう一度みたい」「自然農といういい物を見せていただいた」など非常に感銘を受けたという感想を多数いただきました。