ハーフ
ジャンル
教育 平和 人権 多様性 時間 87分
製作年2013年
監督 西倉めぐみ、高木ララ
~ 日本は多様化している Japan is Changing ~
「ハーフ」の2人の監督西倉めぐみ、高木ララがとらえた日本の姿!
厚生労働省の統計によると、日本の新生児の49人に1人が、日本人と外国人の間に生まれています。
ハーフであるとは、どういうことなのか? 日本人であるという意味は? 一体、それは日本にとって、どういう意味を持つのか?上映してディスカッションしてみませんか?
About the film
人々が頻繁に世界中を移動する時代となり、日本でもますます人々の移動が盛んになっています。そして、その日本には、両親のどちらかが外国人という人々が多く存在するようになりました。中には外見的に目立つ人もいれば、全く目立たない人もいます。ドキュメンタリー作品『ハーフ』は、このようなハーフたちの複雑な心境や、現代の日本での多文化的な経験を通して、発見の旅へと導きます。本作品は、5人の「ハーフ」たちがかつて単一民族と言われてきた国において、多文化・多人種であるとは、どういうことなのかを探求する日々を追います。ハーフたちの中には日本しか知らない人たちもいれば、日本での生活は全くの未知の世界という人たちもおり、その二つの異なる世界の狭間で生きている人たちもいます。
厚生労働省の統計によると、日本の新生児の49人に1人が、日本人と外国人の間に生まれています。この新たに浮上したマイノリティについては、文献も十分ではなく、メディアでも深く取りあげられていません。HD長編ドキュメンタリー映画『ハーフ』は、重要な会話の糸口となることを目的としています。
本作品では、日本の多人種・多文化社会での人種、多様性、多文化、国籍やアイデンティティを取りあげます。この探求を通して、次のような質問を投げ掛けようとします;ハーフであるとは、どういうことなのか? 日本人であるという意味は? 一体、それは日本にとって、どういう意味を持つのか?
主人公であるハーフたち自身のナレーションと率直なインタビューに、シネマベリテーの映像を重ねて、ハーフたちの生い立ちや家族の関係、教育、時には彼らの外見が影響する彼らの体験を探ることができます。5人の人生をとうして、ハーフたちが体験する個人的且つ奥深い側面も垣間見ることができます。
More info
本映画製作の案は、ハーフ・プロジェクト( http://www.hafujapanese.org/ )から起こりました。社会研究家のリゼ・マーシャ・ユミと写真家ウィラー・マヤ・ナタリーの二人が共同で設立したハーフ・プロジェクトは、ハーフたちの体験とアイデンティティーをポートレート写真と綿密なインタビューを使って探求しました。当プロジェクト2008年にロンドンで始まり、日本と海外でのハーフたちの人生経験に迫りました。
今日までに、本プロジェクトは130人のハーフたちの人物像と、それぞれのインタービューを収集しました。それぞれの生い立ちから、帰属意識やアイデンティティまで多くを探求しました。マーシャとナタリーの製作成果は、各地の日本大使館や他の文化機関の支援を得て、 世界各地(ロンドン、東京、神戸、サンフランシスコ)で展示されています。
2009年 映像製作者高木ララと西倉めぐみは、 来日していたマーシャとナタリーに出会い、そこでハーフにメディアの注目が十分ではないと気づき、同時にテレビでは ハーフの有名人がうわべだけの崇拝を受けている現象に嫌気が差し、ハーフたちの手で作るハーフについての初のドキュメンタリー映画の製作に取りかかりました。
『ハーフ』の製作は篤志作業として細々と2010年に始まり、その後、ソーシャルメディアや特別試写会を通して、活発なボランティアグループの製作チームに成長しました。音楽やモーショングラフィックはハーフのアーティストが担当。現在、本映画は、日本語圏や英語圏そしてスペイン語圏のメディアの注目を浴びています。
Data
原題 |
|
製作年 |
2013年 |
製作国 |
日本 |
制作 |
|
配給 |
ユナイテッドピープル(配給協力) |
時間 |
87分 |
Cast & Staff
監督 |
西倉めぐみ、高木ララ |
製作総指揮 |
西倉めぐみ、高木ララ |
プロデューサー |
西倉めぐみ、高木ララ、スピッツミラー・ジラン |
原作 |
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脚本 |
|
音楽 |
ホワイト・雄一郎・ウィントン |
撮影 |
西倉めぐみ、高木ララ |
編集 |
三宅愛架 |
キャスト |
デイビッド
ソフィア
大井一家
エド
房江
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上映会主催者の声
上映会を主催された方の声を紹介します
私たちNPO法人Sharing Caring Cultureは、横浜市内在住の外国人家族のコミュニティ支援をしています。外国人も日本人も対等にフラットな関係で運営をしており、今回は、子育て情報冊子制作プロジェクトの報告会に併せて、日本社会のダイバーシティ&インクルージョンを推進する団体として、人権啓発を意図して「ハーフ」の上映を行いました。
外国人メンバーの中には、当事者としてミックスルーツの子どもを育てている家族も多く、親子で上映会に参加し、とてもよかったと語っていました。矢野デイビッドさんのどちらのルーツかを選ぶのではなく、どちらのルーツも持っているからこそ、やれることがある。二つの国の架け橋になること、それが自分のミッションだと語っていた言葉に勇気づけられたそうです。
また、地域で外国人支援の中間支援を行う団体の職員の方は、自分たちがイベント企画する際に、つい、その人の国籍で判断し、その国の文化を伝えるイベントを依頼してしまうけれど、人によっては、自分のアイデンティティに揺らいでいる人もいて、簡単に〇〇の国と規定できない人がいることを理解しないといけないと語っていました。
当事者や支援者のほか、地域の行政職員の方々も上映会に参加し、ミックスルーツの人たちの一括りにはできない心境や背景を知る貴重な機会になりました。
実際にダブル・ミックスの子を持つ親に観ていただき
誰もがそのままでいいよのあたたかい社会で
子どもを育てられたらいいなと思う!
ハーフというテーマを越えて、マイノリティとされる人達の多くの声を聴くことができた。人と同じであることに安心感を持つ日本人にとって、違いを受け入れる、そして楽しむことができるのか。これからの社会づくりに大きな課題であると感じた。
意識して違いを楽しんでいきたい。
外国人労働者がいなければ成り立たなくなっている日本社会で、外国人数は年々増加の一途をたどっています。単一民族ではなくなってきている事実を受け止め、誰もが住みやすい社会になるためにはどうしたらいいのでしょうか? 立場も環境も違う6人のハーフが私たちに伝えてくれたことは、普通の生活ではなかなか知ることができない内容で、当事者からはきっと言いにくく、伝える機会も多くはないと思います。映画を通してそれぞれの感じ方を知ることで、これからの日本のミライを一緒に作っていきたいと想う人が一人でも増えたら、この映画の目的は達成できるのではと感じました。参加者皆さんが口をそろえて「ひとりでも多くの人に観てほしい」とおっしゃっています。
オンラインで、遠方にお住まいの方にも参加いただけました。島国日本における和製英語ハーフについて考えさせられ、皆さんで感想を共有することできました。
この作品の中では、日本に住むハーフの人々の苦悩や葛藤が描かれています。
しかし葛藤を感じながらも自分の道を探しもとめる姿に、自分を重ね合わせて、勇気をもらいました。
ハーフではなくとも、なんらかの「人と違う」と感じているものを持つ人、たとえば、障がい、同性愛、いじめ、などなど、自分のことをマイノリティと感じていたり、日本の「人と同じでなくてはならない」という見えない空気に生きづらさを感じているすべての人に見ていただきたい映画です。