知的で辛辣!世界中で公開されるべき作品。 ─ Variety誌
無数の命を奪った人間が私腹を肥し、突如日常を粉々に砕かれた人々は置き去りのまま。生々しい現実が、映画から浮かび上がる。この現状を少しでも変えたいのならまず、恐怖を煽る言葉の前で一度立ち止まり考えたい。権力者が恣意的に口にする「テロ」とは何を指し、誰を攻撃するものなのか、と。
ー 安田菜津紀(フォトジャーナリスト)
「戦争は政治の継続」(クラウゼヴィッツ)ではなかった。逆に、政治のほうが戦争の継続だった!
兵器産業の使い走りと化した現代政治の真実の一端がここにある。
ー 山形浩生(翻訳家、評論家)
その他コメント https://unitedpeople.jp/shadow/rv
News
- 2022/12/14
- 【上映最低料金8割引!】映画『シャドー・ディール 武器ビジネスの闇』を上映しませんか?
- 2021/07/30
- 上映者募集『シャドー・ディール 武器ビジネスの闇』オンライン上映も解禁!

©Shadow World Productions, LLC
About the film
《エディンバラ国際映画祭2016 ドキュメンタリー最優秀作品賞》
《グアナファト国際映画祭2016 長編特別賞》
《バリャドリッド国際映画祭2016 ドキュメンタリー最優秀作品賞》
“人を殺すための道具”である武器。戦争が続く限り需要が無限に生まれる──。
莫大な利益を生む国際武器取引を暴く、衝撃のドキュメンタリー!
【関連動画】
映画監督、原作者トーク 聞き手 望月衣塑子さん → https://www.youtube.com/watch?v=CCqsoOICOno
ヨハン・グリモンプレ監督 劇場トーク→ https://www.youtube.com/watch?v=k_XOvlj0EYs&t=4s
More info
世界は武器であふれているのに、この実態は詳しく知られていない。映画『シャドー・ディール 武器ビジネスの闇』は、金と権力と個人の野望が、国家の安全保障や世界平和、人権や開発よりも優先される国際武器取引の実態を描く衝撃のドキュメンタリーである。監督は、アーティストでもある映画監督ヨハン・グリモンプレ(『ダイアル ヒ・ス・ト・リー』(1997))、原作は世界的に高い評価を受けているアンドルー・ファインスタイン著 『武器ビジネス:マネーと戦争の「最前線」』 である。映画には、著名なジャーナリストであるエドゥアルド・ガレアーノの作品もいくつか取り入れられている。
この映画は、告発者、検察官、軍事産業関係者などの証言を通じ、武器の国際取引を取り巻く政府や軍隊、情報機関や軍事会社、武器商人や代理人の複雑な関係を浮き彫りにするだけでなく、武器ビジネスがどのように腐敗を助長し、外交や経済政策を決定づけ、民主主義をないがしろにし、果てしない苦悩をもたらすのかを明らかにする。最終的に、戦争の真の代償、武器取引の仕組み、いかに戦争兵器が市民の安全を確保するのではなく市民に向けて使われるようになるのかを暴いていく。この映画は、現実の闇に光を当てることで戦慄の実態を赤裸々に晒しているが、それはよりよい未来の構築を切望してのことである。
Data
原題 | Shadow World | 製作年 | 2016年 |
---|---|---|---|
製作国 | アメリカ、ベルギー、デンマーク | 制作 | |
配給 | ユナイテッドピープル | 時間 | 90分 |
Cast & Staff
監督 | ヨハン・グリモンプレ | 製作総指揮 | |
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プロデューサー | ジョスリン・バーンズ、アナディル・ホサイン | 原作 | アンドルー・ファインスタイン著 『武器ビジネス:マネーと戦争の「最前線」』 |
脚本 | ヨハン・グリモンプレ、アンドルー・ファインスタイン | 音楽 | カルステン・ファンダル |
撮影 | ニコール・マッキンレー・ハーン | 編集 | |
キャスト | エドゥアルド・ガレアーノ(声)、アンドルー・ファインスタイン、デイヴィッド・リー、ヘレン・ガーリック、リッカルド・プリヴィテラ、ピエール・スプレー、ヴィジャイ・プラシャド、マルタ・ベナヴィデス、ローレンス・ウィルカーソン、クリス・ヘッジズ、ジェレミー・スケイヒル 他 |
Review(1)
23/02/18 21:17
上映会主催者の声
見終わっての私の素直な観測としては、疲労と脱力感と、無力感でガックリとした気持ち。
映画作品として、様々な立場の人物のインタビューシーンと翻訳テキストがほぼ占めていたので、解読して頭で理解するのがやや難解で腑に落ち感が無く。参加者メンバーからも同じような意見が多かったです。そしてここで語られた事実について、驚嘆はしなかったものの、、、もう自分達の思考や言動とは遙か遠くかけ離れたところにあり、永遠の戦争が終わる気配が無い事を強く知らしめられたという何とも悲しい事実に、ただただ人間の愚かさと無力に、唸るしかないという、、、。いつもとは違って、希望の見えない作品だったなという感想でした。
しかしまた、この映画鑑賞により何かしらの気づきや活動の源になったなら良かったなと。
会場が縦長で段差もなく、考えていたより多くの方にお集まりいただいたので(定員の100人に達しました)、字幕が読みにくいなどもあったと思います。そうでなくでも情報量が多くテンポも早いので、皆さん大変そうでした。公開当時も思いましたが、解説などのパンフレットがあったらみんな買っていることでしょう。
上映の後に、武器取引反対ネットワークの杉原浩司さんに講演いただき、映画の解説と現在の状況も踏まえて説明していただいたので、ようやく理解できたとの声も。
世界の首相たちが安全保障を口実に、軍需産業と深く結びついてお互いの利益を得るという構造に怒りを覚えます。
ーー以下観覧者の感想ーーー
「1度見ただけではちゃんと理解できませんでしたが、本当にひどいことが行われてきて、現在も続いていることが、悲しみと怒りでいっぱいになりました」
「武器商人によって多くの人の命が奪われたり、今も武器によって苦しんでいる人がいることを知った。今日のような機会を作り、自分以外の人にこの映画を見てもらいたいと思った」
「死の商人という明らかな悪事が、どうしてビジネスとして成り立つのか不思議でしたが、想像以上に大きな国ぐるみのたくらみであることがわかり、改めて恐怖を覚えました」
「恐ろしい現実を知りました。字幕が見にくく細かいことはわかりませんでしたが、その恐ろしさ、政治家のきたなさはわかりました。
武器見本市を国内でやることは、平和憲法のある日本なのに信じられません」
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映画の中で、イスラエルが2年毎にガザ地区を攻撃し、直後に行われる武器見本市で『この武器の性能は、戦地で実証済みだ』とアピールするとの告発がありますが、それはまさに、幕張メッセで行われてきた武器見本市で繰り広げられてきたセールストークです。この1年4ヶ月もの間虐殺されたり、尊厳を奪われたりした人々のことを思うと、こんなことは許されないと、改めて思いました。
紛争や戦争はなぜなくならないのか?無くすためにはどうすればいいのか?武器取引のもたらすもの・・・いろいろと考えるきっかけになったら幸いです。
日本も、殺傷武器輸出が可能になり、戦闘機の三国共同開発もできるようになりました。杉原さんの講演でそのような現状も学習し、映画のの世界が日本でも現実になりつつあるように感じられました。古い映画ですが、今こそ多くの人に見てもらいたい作品だと、強く思いました。
見ると思った以上で、米→英→サウジの繋がりの中で大金が動き、正義とは何の縁もない個人の欲望で大勢の人が死んでいく。
表の顔でどんなに立派なことを言っていても、裏では金と女だけーこれが現在も世界を動かしている。
今、米国は台湾有事を煽っており、日本は巻き込まれそうです。そうなったら死の商人は喜ぶことでしょう。
映画の冒頭と最後に挿入された映像に救われた思いがしました。第一次大戦の硬直した前線でクリスマスに武器を捨て、互いに駆け寄り抱擁しあった兵士達、初めに武器を捨てて敵に身をさらした兵士の勇気を思います。現実の歴史を知ると暗い気持ちになってしまいますが、私はこの兵士の勇気に学びたいです。
この映画は恐怖と不安をあおる者の存在を教えてくれました。煽りにのせられず、冷静になって平和を求めたいです。