役立たずのダムを取り壊せ
すべては川の自由にために。常識を覆した挑戦者たちのドキュメンタリー。
僕が2013参院選で主張した「破壊から再生の公共事業へ」を、
まさに地でいく動きが今、破壊のオオモトである米国で起きている。
日本の環境運動に(或いは社会に)、決定的に欠如している
「とんちとユーモア」をまざまざと見せつけられる。
あらゆる環境運動に関わっている人々に、
あるいは国の現状を憂いてそれを変革しようと小さな足掻きを営んでいる人々に、
必ず観てほしい映画である。
- 三宅洋平((仮)ALBATRUS/NAU代表)
今や諸悪の根源は、一人一人の小さな無責任。
今を生きる私達が気付き、動き出さなきゃならないんだ!
- 伊勢谷友介(俳優/映画監督/株式会社リバースプロジェクト代表)
各界著名人のおすすめメッセージはこちら!
http://damnationfilm.net/message/
2014年11月22日(土)より渋谷アップリンクほかでロードショー!
上映スケジュールはこちら!
http://damnationfilm.net/screen/
About the film
小さい頃、自分で散らかしたものは、自分で片付けるように教えられる。
それは私たちの“家”である地球に対しても言えるはずだ。
破壊的ですぐ役立たなくなるダムを建てたのなら、
それを片付け、自然を元通りにする責任が私たちにはあるはずだ。
- イヴォン・シュイナード(パタゴニア創業者、映画『ダムネーション』製作責任者)
アメリカにおいて「ダムを建設し増やしていくこと」が主流だった50年前から、
「ダムを撤去する」という選択肢へと移り変わってきた現代までを、
川の自由を求め続けてきた、さまざまな活動家に光を当てて追いかけます。
More info
破壊すべきダムがあるかぎり
“ダムバスター”は挑戦し続ける
アメリカ全土につくられた7万5千基のダム。それらの多くは、川を変貌させ、魚を絶滅させ、それにもかかわらず期待される発電・灌漑・洪水防止のいずれにおいても低い価値しか提供していない。むしろダムの維持には高い経済的コストもかかっている。そんな負の面ばかりのダムを「撤去」する選択が、アメリカでは現実になってきた。だが「ダム撤去」が当たり前に語られるようになるまでには、「クレイジー」と言われながも川の自由を求め続けてきた人びとの挑戦があった。彼らのエネルギーにより「爆破」が起こるドキュメンタリー。
自然の良さは人間が何もしなくてもいいこと。
ただそのままにしておけばいい。
地球の血管にも例えられる川。ダムが及ぼす影響は、私たち生き物すべてに及ぶ。ダムが撤去されたとき時、川は解放され、みずから元の姿に回復していく。本作品が映し出す川の生命力と美しさは、人間も自然の一部なのだということを改めて気づかせてくれる。そして、技術により自然を征服してきた過去と決別し、新しい未来をつくりだす希望の光を見せてくれる。製作責任者はパタゴニア創業者のイヴォン・シュイナード。共同プロデューサーは生態学者で水中写真家のマット・シュテッカー。
Data
原題 |
DAMNATION |
製作年 |
2014 |
製作国 |
アメリカ |
制作 |
シュテッカー・エコロジカル&フェルト・ソウルメディア |
配給 |
ユナイテッドピープル |
時間 |
87分、52分 |
Cast & Staff
監督 |
ベン・ナイト&トラヴィス・ラメル |
製作総指揮 |
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プロデューサー |
ベーダ・カルフーン |
原作 |
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脚本 |
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音楽 |
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撮影 |
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編集 |
ベン・ナイト |
キャスト |
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上映会主催者の声
上映会を主催された方の声を紹介します
キャンペーンを実施してくださったおかげで、カフェなどを持たずに映画上映だけで企画を立てている私たちにもなんとか手が届く機会をいただきました。皆さんと一緒に映画を観て、私たちが暮らしている世界をもっと知る機会をつくりたいという思いを形にできてありがたい上に、今回は地元の瓦版を発行してある方が私たち映画部の活動を取材をしてくださって嬉しかったです。
今回ご来場くださった方の声を一部紹介します。
「ダムが年をとっていくなんて、考えてもいなかったのですが、考えさせられた映画でした。人間の知恵は自然サイクルには及ばないもの。学ぶのに何十年かかったのか。ダムを買って自由にするアイデアは良かった♪」
「自然豊かな村に住んでいるすぐそばにダムがあり、また新しくダムを作っています。なぜ必要なのか、ダムに対して見方が変わりました。(今まで興味が無かった)」
「スケールの違いにピンとこないところがあったが、自然というものを考えさせられた。」
「ずっと観たかったものでした。自然は神!!すばらしい自然を残していきたい。日本のダムの現状も調べたい。長崎のダムの件もあるし。行動力がすごい!!」
「期待せず来ましたが、大変良かったです。勉強させていただきました。」
「今回もとても情報が多くて追いつけそうにないのだけど、考えることは多くあって、一部の人の大きな行動を崩すのは、また一部の人の小さな行動だったり。もちろん環境のことも考えたいのだけど、人が便利に暮らすために考えた経済というシステムの中で、それを考えた人間たちがそれを利用するのではなく、振り回されてるような気がして。便利よく暮らそうとしてる中で、本末転倒な影響が見てとれたり。その中にまた人間のエゴが見えたり。とても考えさせられて映画を見ながら頭の中がいろいろグルグルしてました。次も楽しみにしています。」
「ダムネーションには考えさせられました。熊本のニュースも同時にすごくうれしくなりました。一人一人が目覚めたらもっともっと良くなるのにね。」
ドキュメンタリーらしさ、おおらかさとユーモアで、あきらめない気持ちをもつこと。
6月の世界環境デーにちなんで、上映しました。ちょうど、近くに、建設中のダムがあることからも、関心があり、14名の方に参加していただきました。その後の感想を共有する際にも、それぞれの思いを熱く語られたのが印象に残りました。以下に感想を抜粋します。
--------------感想の一部---------
普段、一般の劇場では見られない作品で、パタゴニアらしい映像だったので楽しめた。両面からの視点で語られていたので一方的な思想(要不要)に傾倒したものでなかったのが、特に多様性という点でも見応えがあった。ありがとうございました。
関心を持つ事、自分の問題として見つめることの大切さを感じました。ありがとうございました
これまでも講座付きでドキュメンタリー映画上映を開催してきた私たち=コミュニティシネマにいがた。いくつかの候補の中からセレクトした映画「ダムネーション」は、アメリカで進みつつあるダム撤去の動きをユーモアも十分に含みながらきちんと提示した作品でした。上映後には新潟大学名誉教授の大熊孝さん(河川工学)の講演を行い、映画を見たうえで日本のダム事情・ダムと豪雨に伴う水害との関係など、より私たちの身近な事柄についても学ぶ機会を設けました。
参加者からも「ダムに関する様々な発見があった」「アメリカと日本のダムについての取り組みの違いに驚いた」など、映画上映+口座を通して知る良い機会が提供できたと思っています。
当日お越しいただいた方々にもこの場をお借りして御礼申し上げます。
作品の舞台はアメリカでも、
日本でも戦後続けられてきたダム開発と
今後も国内で1000にも及ぶダム建設計画があるということも踏まえて
環境や経済の課題に取り組む入口を提示できる作品だと思います。
ZAN同様、地味ではありますが
今後も紹介したい作品です。
不必要なダムを撤去して、川が蘇り魚が帰って来た。
大自然の再生エネルギーに感動しました。
地球がコンクリートで覆われて、命の循環エネルギーが澱んでしまってる様は、私達が思考というコンクリートで意識を覆って、本来のエネルギーが滞ってしまってる様と重なりました。
上映後のシェアでは、ダムに反対という意見だけでなく、
大きなプロセスの中でこの環境破壊のプロセスもあっての、本当の自然と人間の調和が始まる等、
ダムや開発の歴史を否定することなく受け入れて、否定という争い葛藤のない、全ての融合の可能性を感じるシェアになりました。
環境から人の在り方まで、色んな立場や思いまで理解して、より良い可能性を模索していく豊かな上映会となりました。
1997年アメリカのエドワードダムで始めて撤去命令が出たとのニュースを聞き、以後ダム撤去の情報を集めてまわったものだ。
2000年、ダムを電力会社から買い取って撤去するというペノブスコット川のニュースが届いたときは、その規模と進度に驚いたものだ。以後細々と次々とニュースは届けられてきたが、それでも届かなかった人たちへ、「ユーモア溢れる映画」という形でその情報が届くようになった。それがダムネーションだった。映像を通じ「あの巨大なダムでも撤去できるのだ」という驚きは確実に広がっているように思う。その驚きはライト兄弟が空を飛ぶ姿を見た時の「人は空を飛べるのだ」というブレイクスルーと似ている。
社会的に手法や技術が洗練されると撤去という選択肢がごく当たり前に選ばれるのだと思う。当然社会に必要とされているダムではなく、問題が多いダムから順次手が入るだろう。多くの事例をもとに、撤去に対するアイディアや手法が次々と生み出されている。
2011年に小樽の奥沢ダムがコストと安全性のためにさらりと用途廃止され、一部撤去された。驚くべきことに、たいして大きなニュースにならなかった。ダム撤去という手段が、センセーショナルなものではなく、改修やメンテナンスのようにごく当たり前の選択肢であって欲しいと願う。管理者がだれであれ、行政が撤去費用を支出するということもまた、問題を解決するために必要な形であり、仕組みは徐々に洗練されていくだろう。なにしろ日本にもまだまだ多くのダム撤去要望地がある。撤去するしないにかかわらず、撤去に関する議論が起きた土地に、この映画が広く届くことを願ってやまない。「撤去はありえないこと」として選択肢にすら入れられず、ただ問題の先送りと税金の無駄遣いとなる対策を選択してしまうのを防ぐことが出来るかもしれない。
2017年夏、私は荒瀬ダムが撤去され戻ってきた球磨川の流れを用いたラフティングやアユ釣り体験のツアーを行う会社を興した。今でも時々ツアーで川の流れの上にありながら、そこにあったあの巨大なコンクリートの塊を思い出し夢ではないかと思うことがある。ダム撤去で戻った流れで遊んだ後、お客様と共にダムネーションを見る。お客様の反応を見ながら、さらなる球磨川の未来を、日本の川の将来を想像する。5年後には、このレビューもまた時代遅れになっていて欲しい。
Reborn代表・リバーガイド 溝口隼平
https://www.facebook.com/rebornkumagawa/