・知られていない現実を教えてもらいました。とても重要な活動ですが一方で命にかかわることであり応援していいものかも悩むくらいです。
・環境保護と政治が密接に関わっていることが良く分かる映画でした。ドテルテ政権下でおきていたことをふり返ることができましたが、辛い内容であり、どう整理して良いか分からない映画でもあります。
・ラストまで観ても救いのない映画。だがそれが今の実態。正義は何処にあるんでしょうかね…。
・フィリピンのパラワン島での厳しい環境活動の現状を描いたドキュメンタリーだ。地方を牛耳る絶対的な権力者が進める観光誘致や農園開発のために違法な森林伐採が横行する。本来なら政府が取り締まるべきだが、政官財が一体なった癒着構造により全く動かない。そんな現実に対して環境破壊を押し止めようと弁護士らの活動家が立ち向かうが、その取り締まる手段は「私人逮捕」なのだ。そんな中、多くの活動家たちが違法伐採者たちの銃で命を落としていく。権力側による妨害活動は彼らを支援する町長選挙においても行われる。買収や警察権力による選挙妨害だけでなく、大統領による脅迫にも追い詰められ職を失う町長。そんな危険な日常や日々の活動を追ったドキュメンタリー。「デリカド」とはタガログ語で「危険」という意味だとか。国際NGOなどの協力での国外からの所謂「外圧」によるアプローチも描かれていた。我々も関心を持ち、協力できることをしなくてはと思った映画だった。
・ドゥテルテ元大統領が「麻薬撲滅を遂行するにあたり、麻薬に携わった者を殺害する」という声明記事を読んだ時、国のトップが殺人を仄めかすなどと、一体フィリピンとは、どんな国なんだろうと当時思った。今回デリカドを観て、合点がいった。フィリピンは貧富の差がある事、今も独裁者が居て、権力と暴力で弱い立場にある国民を脅している事。自分と身内だけが好き放題したい事。自然は生き物への最大のギフトで、全ての生き物は恩恵を受けているのに、何故、為政者はこのギフトを未来へ繋げようとしないんだろうか? …フィリピンだけの話ではないですね。「闇は光を理解しようとしなかった」ヨハネ1:5が脳裏をよぎる。
・悪に立ち向かうのは命がけであることを実感。先進国を目指す上でいかに悪を根絶できるかがカギだと思う。このような違法行為がはびこる国は先進国にはなり難い。
・この世には、次世代のために、命をかけて守る環境保全活動をしている人たちがいるんだと、改めて認識。日本だと、なんとなく理論が先行し、身体を張った行動までは、少し距離がありそうで。「命がけ」が比喩ではなく、現実という過酷さ。そして大規模な環境破壊で起きる災害は、その原因をつくった人たちから、いちばん遠い人たちが背負わされる理不尽を想像すると、まことに腹立たしい。
・自らの地域の自然環境、熱帯森林を護るための団体の活動に脱帽です。州知事や大統領の利権を守るための政治的な迫害を受けながら、それを押しのけていく姿は感動的でした。ドゥテルテ大統領の麻薬撲滅の推進が、反対勢力の排除に恣意的に使われていたことは驚きでした。
・リゾート開発の裏で政治家と業者が癒着して、という話はどこの国でもあることかもしれませんが、まさか環境保護活動の現場がこんなに危険な状況になっているとはまったく想像もしていませんでした。映画に出てきた違法伐採の人たちは末端のチェーンソー作業員だけが捕まっていて、まるで特殊詐欺グループで使い捨てにされる掛け子のようにも見えました。違法伐採の作業員を思いやり優しく話しかけるタタさんが印象的でした。
森が泣いている。
静かな葉擦れの音の裏で、木々が倒れ、土が裂ける。
誰かが守ろうとする度に、影が忍び寄る。
それでも、彼らは立ち続ける。
風のように、雨のように。
恐れを超えて、大地に誓う。
この緑は、未来へと続く命なのだと。
スクリーンの向こうの叫びが、僕の胸を締めつける。
見終えた今、自身に問いかける。
「僕らはこの手で何を守れるのだろう?」
――SUGIZO(ミュージシャン)
『資本論』でカール・マルクスはこう述べた。資本主義は「頭から爪先まで、あらゆる毛穴から、血と汚物とをしたたらせながら、この世に生まれてくる」。これは現在進行形の金と資本をめぐる血に塗れたドキュメンタリーである。あまりにも大きな国家と資本の力の前に、何ができるのか。答えはないが、現実から目を背けてはならない。
――斎藤幸平(『人新世の「資本論」』著者)
毎年、森を守る人たちが世界中で消えている。私たちが地球が再生できる量を遥かに超える資源を消費し続ける背景で、その資源を守るために誰かが命を張って戦わないといけないことも、彼らが命を落としていることも、それを私たちが知らないことも、その全てがおかしい。私たちから、変わらなければいけない。それを、心の底から、ずしんと気づかせてくれる映画です。
――濱川明日香(一般社団法人Earth Company代表理事)
希少木材の需要があり、また観光開発で利益をむさぼることができる社会の構図を変えない限り、自然の搾取は止まりません。この映画は自分ごととして観るべき作品だと思います。
――正木 明(気象予報士・防災士)
緊迫感に満ちた『Delikado』。その緊張感は最後まで途切れない。そして描かれる環境保護活動家たちの揺るぎない勇気もまた途切れることはない。圧倒的な作品だ。
――土井香苗(国際人権NGOヒューマン・ライツ・ウォッチ日本代表)
「希望と絶望」の両方を、これほどまで強く感じたことはないかもしれない――地球最後の美しき秘境での「善良と腐敗」の壮絶な戦い――日本をはじめ世界中で起きている、この対立の縮図が、この小さな島にある。果たして、善良は腐敗に打ち勝てるのか。
――四角大輔(作家/森の生活者)