第75回ベルリン国際映画祭 最優秀ドキュメンタリー賞受賞
第98回アカデミー賞長編ドキュメンタリー映画賞ショートリスト
ダーレン・アロノフスキープロデュース
ハマスに人質として拐われた娘を救い出す…
分断を超え奔走する家族を描くドキュメンタリー
©Meridian Hill Pictures
About the film
2023年10月7日の朝、イスラエルのキブツ・ニールオズが、ガザから侵入したハマスに襲撃された。住民約400人のうち4分の1が殺害されるか人質となり、リアット・ベイニン・アツィリと夫アヴィヴもガザへ連れ去られる。父イェフダら家族は、2人を救うため行動を開始する。リアットがアメリカ国籍を持つことから、イェフダは人質解放を求め、バイデン政権に働きかける代表団の一員として訪米する。しかしそこで、人質家族の存在がイスラエル政府による戦争継続の「理由」として利用されている現実を知り、衝撃を受ける。
ネタニヤフ政権に批判的なリベラル派のイェフダは、首相が自身の延命のため戦争を長引かせていると主張する。愛する家族の帰還を願う切実な視点を軸に、政治、歴史、分断された価値観が交錯する本作は、イスラエル・パレスチナ問題を多層的に描くドキュメンタリーとして話題を呼んでいる。
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第98回アカデミー賞®長編ドキュメンタリー映画賞ショートリスト選出作品
ダーレン・アロノフスキー プロデュース
突然の襲撃、引き裂かれた家族
2023年10月7日の朝、ガザ地区との境界から2km足らずの場所にあるイスラエル南西部のキブツ(農業共同体)、ニールオズがガザから侵入したハマスの武装勢力に襲撃される。住民およそ400人のうち、4分の1が殺害されるか人質となるという壊滅的な被害を受け、リアット・ベイニン・アツィリと夫アヴィヴもガザへと連れ去られる。父イェフダら家族は、2人を救うため必死の行動を開始する。リアットがアメリカ国籍を持つことから、イェフダは人質解放を求め、バイデン政権に働きかける代表団の一員として訪米する。しかしそこで、人質家族の存在が、イスラエル政府による戦争継続の「理由」として利用されている現実を知り、愕然とする。
家族の救出を巡り浮き彫りになる交錯する価値観
ネタニヤフ政権に批判的なイェフダは、首相は自身の投獄を免れるために戦争を長引かせていると非難する。一方、批判よりも救出を優先すべきだと反発する家族や関係者も。しかしイェフダの兄で中東史の教授、ジョエル・ベイニンの視点は一線を画す。かつてイスラエルに移住したジョエルは、暮らしたキブツがパレスチナ人の村の上に建てられたことを知り、アメリカへ戻った人物だ。彼は、10月7日以前からの構造的問題に目を向ける必要性を訴える。愛する家族の安全な帰還を切望する切実な視点を軸に、政治、歴史、分断された価値観が交錯する本作は、イスラエル・パレスチナ問題に多層的な視座をもたらすドキュメンタリーとして話題を呼んでいる。
「『ホールディング・リアット』は復讐ではなく人間性への道を示す。フェンスの向こうを見据え、隣人を殺すのではなく慈しむよう私たちに問いかける作品だ。」
― ペトラ・コスタ(第75回ベルリン国際映画祭ドキュメンタリー部門審査委員長)
Data
| 原題 |
Holding Liat |
製作年 |
2025年 |
| 製作国 |
アメリカ |
制作 |
プロトゾア・ピクチャーズ、メリディアン・ヒル・ピクチャーズ |
| 配給 |
ユナイテッドピープル |
時間 |
97分 |
Cast & Staff
| 監督 |
ブランドン・クレーマー |
製作総指揮 |
|
| プロデューサー |
ランス・クレーマー 、ダーレン・アロノフスキー、ヨニ・ブルック、ジャスティン・A・ゴンサルヴェス、アリ・ハンデル |
原作 |
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| 脚本 |
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音楽 |
ジョーダン・ダイクストラ |
| 撮影 |
ヨニ・ブルック |
編集 |
ジェフ・ギルバート |
| キャスト |
リアット・ベイニン・アツィリ、イェフダ・ベイニン、ハーヤ・ベイニン、ジョエル・ベイニン、タル・ベイニン、アヴィヴ・アツィリ、ネッタ・アツィリ、オフリ・アツィリ、アヤ・アツィリ 他
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上映者の声
上映会を主催された方の声を紹介します
今回の上映会では、上映の前後にイスラエル、そしてパレスチナで活動した経験を持つ2名の日本人スタッフから、現地の人々の想いや政治的な背景についてレクチャーの時間を設けました。
監督に直接インタビューをした時事通信の記者であるスタッフ曰く、「ホールディング・リアット」はリアットの平和への強い想いと覚悟なしには公開し得なかったそうです。
レクチャーによって、映画を観る側の興味関心が深まり、視野が広がることで受け取れたものは大きかったと感じています。
今も尚続く、イスラエルとパレスチナの問題について、リアットの言葉から私たちが受け取るべき平和のカタチ、未来へ繋ぐためにできることを観客一人一人が考えるきっかけとなる上映会を、今後も開催していきたいと強く思いました。
そして、後世に語り継ぐためにもより多くの方に上映会を開催していただきたい作品ですので、年間ライセンス作品に加えていただける日を心待ちにしております。
ハマスに娘を拉致された家族のドキュメンタリー。正直に書く。観る前には少し逡巡があった。ハマスの残虐さとネタニヤフ政権の正当性ばかりが強調されるのではないかとの思いがあったからだ。でも今は観終えて思う。被害側も加害側も一色ではない。そもそも被害と加害も単純には分けられない。当たり前だ。そんなことはわかっていたはずなのに、その発想をいつのまにか止めていた自分に気がついた。観てよかった。
――森達也(映画監督・作家)
この作品が映しているのは、
奪われた人ではなく、
残された側の「壊れていく時間」
家族の生死もわからないまま、待つことしかできない。
それは希望ではなく、無力感とともに息をする日々。
生きているのに、心だけが少しずつ遠くなっていく時間。
なぜ一般市民が繰り返し戦争の理由にされてしまうのかという現実。
国家の論理の中で、人の命が後回しにされていく現実が、
この映画の静けさの奥に存在していた。
私は、第三者のままで観ることはできませんでした。
スクリーンの中の現実が、
観る側の胸の内側に移ってくる感覚があったのです。
映画が問いかける「フェンスの向こう側の人々への想い」
どうか、決して聞き流さないでほしい。
それは遠い場所のことではなく、
私たちの人間としての感覚に向けられたメッセージだと感じました。
――サヘル・ローズ(俳優・タレント)
イスラエルの人質家族の日々を追った稀少なドキュメンタリー。自己保身のためのジェノサイド継続に彼らを最大限活用したいネタニヤフらのプロパガンダに利用され傷つきながらも、和平への架け橋になろうとする姿に一抹の希望を見る。東アジアで、デマと煽動政治のただなかを生きる私たちも、張り巡らされた強固な壁を越えていかなくては。スクリーンに残る複雑な余韻と共に、そんなことを思った。
――七尾旅人(シンガーソングライター)
私は今、日本に長年滞在している。 もしもイスラエルに住んでいたらと思い描く。父イェフダと同じ道を辿ったと思うが、和解への道は双方民間人の対話の継続なんだと更に確信した。
――ダニー・ネフセタイ(イスラエル出身平和活動家)
本当に胸がずっと苦しかった。
僕の知り合いにもリアットさんのご両親と同じ思いを抱えているイスラエルの人はたくさんいる。共存を目指さなければ、報復の連鎖は止まらない…と。重く、厳しい現実だと実感した。
僕が音楽を書かせて頂いた事のある井上ひさし先生が残された作品には一貫して「報復の連鎖を止める」という強いメッセージがある。その為には目の前の出来事や周囲の声に流されず、自分の頭で考え抜くことが必要だと。そのメッセージが、この映画からもまっすぐ届いた。
そしてその思想のもと、真の平和を心から願い続ける人達がこんな残酷で悲しい目に遭わされてしまう「戦争」という狂気にあらためて怒りと悔しさを感じる。
――小曽根真(ジャズ・ピアニスト)
このドキュメンタリーに出てくる人達を見てもし日本も戦争になったら僕はどっちになるんだろうと、ずっと突きつけられてるような気持ちになった。イスラエルとパレスチナ、政治家と国民、色んなことを考えさせられた。
――村本大輔(ウーマンラッシュアワー 漫才師 スタンドアップコメディアン)
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