貧困援助がビッグ・ビジネスに?
あなたの”善意”が、誰かを傷つけているかもしれない
「この映画を観たら貧困と第三世界を決して同じ様に見れないだろう」
- マイケル・ムーア(映画監督)
News
- 2019/10/15
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- 2018/11/09
- 【12月は寄付月間】映画「ポバティー・インク~あなたの寄付の不都合な真実」上映キャンペーン!
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- 2016/07/28
- 8月6日公開!『ポバディー・インク ~あなたの寄付の不都合な真実~』

(c)PovertyCure
About the film
「貧しい気の毒な人たちのために手を差し伸べよう」「彼らは無力で何もできない」
そんなイメージを謳い、繰り広げられてきた営利目的の途上国開発は、今や数十億ドルに及ぶ巨大産業となっている。その多くの援助活動が失敗に終わり、援助の受け手がもともと持っている能力やパワーも損ないさえする。
私たちの「支援」がもたらす問題は?正しい支援のあり方とは?途上国とどう向き合うべきなのか?ハイチやアフリカを主な舞台に、“支援される側”の人たちの生の声を伝えるドキュメンタリー。
More info
営利目的の途上国開発業者や巨大なNGOなどにより、数十億ドルにも及ぶ「貧困産業」が生まれ、そのなかで先進国は途上国開発の指導者として地位を獲得してきた。慈善活動のビジネス化が歴史上これほどまでに発展を遂げたことはない。しかし、「気の毒な人々を何とかしなければ」「彼らは無力で何もできない」といったイメージを先進国側の人々に植え付けるプロモーションや、一方的な押し付けで受け手側の自活力を損なうような援助のやり方に、反対の声をあげる途上国側のリーダーは増えている。
本作『ポバティー・インク 〜あなたの寄付の不都合な真実』(原題:POVERTY, INC.)は、靴を一足購入するごとに途上国に一足贈るトムスシューズや、途上国発の太陽光パネルベンチャー企業、国際養子縁組やアメリカの農業補助金などについて取り上げながら、私たちに、支援のあり方について問いかける。20ヶ国で200人以上に行なったインタビューは、もはや無視することができない、“寄付の不都合な真実”を浮き彫りにする。
Data
原題 | POVERTY, INC. | 製作年 | 2014年 |
---|---|---|---|
製作国 | アメリカ | 制作 | ポバティーキュア, アクションメディア コールドウォーター・メディア |
配給 | ユナイテッドピープル | 時間 | 91分 |
Cast & Staff
監督 | マイケル・マシスン・ミラー | 製作総指揮 | |
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プロデューサー | 原作 | ||
脚本 | 音楽 | ||
撮影 | 編集 | ||
キャスト | ムハマド・ユヌス ジョージ・アイッティ ハーマン・チナリー=ヘッセ ポール・コリアー セオドア・ダルリンプル エルナンド・デ・ソト 他 |
Review(10)
物心ついた頃から見聞きする「アフリカの飢える子どもたち」は、その数の多さからにしても、いつになったら解決するのだろうとどこかで思っていた。
私たちは目の前の現象に、即座に反応してはいけない、心動かされることがあったとしても、一旦その感情を置いて、トヨタ式ではないけれど「なぜそうなっているのか」を幾度も問い、コトの全体観を掴むべきなのだと強く感じた。
そしてもうひとつ、「支援」や「サポート」というのは、その対象に寄り添うものであり、支援する側の独りよがりな提供であってはならない。余計過ぎるお節介は、時に相手から生きる力さえも奪うことがあるということ。
寄付の話だけど、きっと寄付の話だけでなく社会のどこかにこの不都合はたくさん横たわっている。私たちは、それらをどう知り、どう行動すれば、不都合な真実を変えていけるのか・・・。この確信的で世界的な構造は根深い。
17/03/27 15:11
17/03/27 15:14
17/03/27 15:18
善意の意味をもう一度考え直し、共に生きる方法を見つけられたらと思う。親を助けることで子どもたちを助けることができる。日本も同じことが言えるかと。
上映会主催者の声
その中で2位だった作品が『ポバティー・インク』でした。
参加者のみなさんの感想からは、寄付という行為に対して新しい見方を得られたことにとどまらず、今の自分たちの暮らしの中にも同じ視点で見直していくことが必要だという意見が多くありました。
<参加者の感想>-----------------
大学でそれこそアフリカの援助とかの勉強をしてたので、とても興味深い内容でした。現地の企業にどういう影響を与えるかという視点、そこまで思慮を巡らせる姿勢など、確かに大事だなと思いました。「自立を促すものでなければならない」という考え方は、教育とか、日常のいろんなところでも大事な考え方だよなと感じました。
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ボノの活動は知っていたので衝撃を受けた。下川に限らないが日本でも各地、各産業で補助金行政が行われているので、構造として他人事ではないと感じた。
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新たな視点を得られて面白かったです!「支える」ということについて色々と考えさせられました。国際レベルでなく、もっと身近な、家族間での支え合いの在り方についても重なることだなと思いながら観ていました。
全てにおける「正解」、永続的な「正解」、そんなものはおそらく存在しないんだろうなと改めて考えさせられました。
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寄付=善行という構図に対して違った視点を与えてくれた良い作品だと思いました。
一方で最後のユナイテッドピープルからのメッセージにもありましたが、アフリカへの支援=悪とは言い切れないですよね。
例えば紛争や飢餓の問題は今でもアフリカに限らず途上国にも存在し続けます。
途上国では今でも栄養失調や医療へのアクセスができず亡くなる子供はたくさんいます。
なので一概にアフリカでくくるのは難しいなぁと観ながら感じたことでした。

寄付は善意の行為ではあるけれど、
お金や食糧をただ与え続けることが、途上国と言われる国の人たちの自立を損ねてしまいかねない。
無償で与えられることで、地域に育っている小さな独立事業を潰してしまうこともある。
魚を与えるのでは無く、
魚の釣り方を教えることを求める
お金や食糧ではなく、仕事が欲しい
一方的に支援されるのではなくパートナーとして産業の輪に入りたい
これは途上国に限ったことではない。
「自立支援とは?」
考えさせられる映画でした。

今ではすっかり相対的貧困家庭に含まれる身には、貧困という言葉が持つ響きにある種の抵抗を感じます。貧しいから困るのではなく、困るのは、生きていくのが困難な社会の仕組みにあると感じているからです。映画の冒頭に「世界が変化しないのは、変化で損をするのは強者、つまり極一部の富者や権力者で、得するのが大多数の弱者だから」という内容のメッセージが流れ、寄付をはじめとした支援が今やpoverty inc.”貧困産業“として貧困を維持させている構図があることを指摘しています。
「貧しいから能力がない、力がないから貧しいのではない」。「必要なことは隔絶を無くすること」。映画のあらゆる場面で訴えられるメッセージに動揺しました。隔絶のひとつが、個々の中にも存在しているのではないでしょうか。これからの余生を貧乏神に取り憑かれている生きる凡夫にもまだまだできることがあると、なぜだか勇気が湧いてくる映画でもありました。人が生きる姿は本来とても美しい。鑑賞直後の今感じていることのひとつです。