ハッピー・リトル・アイランド ―長寿で豊かなギリシャの島で―
ジャンル
環境 政治経済 伝統文化 生活医療 時間 52分
製作年2013年
監督 ニコス・ダヤンダス
お金も物も僅かなこの島には 老いることを忘れた老人たちが 活き活きと暮らしているらしい。
長寿で有名なギリシャの離島、イカリア島へ経済危機で希望を失った若者たちが移住した。 大都会から離島に移住し、人生を再出発した若者たちのドキュメンタリー。
「新しい時代の懐かしいキーワードを発見できる映画だ。」
枝廣淳子(幸せ経済社会研究所所長、環境ジャーナリスト)
「島の人々の一言一言には計り知れない学びと発見がある。」
食環境ジャーナリスト 金丸弘美
(c)ANEMON
About the film
ギリシャの離島、イカリア島。この島の住人は世界のどこよりも長生きで幸せと言われている。
都会から移住した若者たちが島の老人たちから人生を楽しむコツを学んでいく。
ギリシャは2010年頃からの経済危機で3人に1人は貧しく、若者の半分は無職となった。職を失い、希望を失った「ロストジェネレーション」と呼ばれる若者たちの多くはギリシャを離れ、海外に逃れたいと思うようになる。そして一部は僅かな希望を抱き、田舎を目指して移住した。
IT関連の仕事をしていた35歳のトドリスも彼女のアナとギリシャの離島でどこかミステリアスな島、イカリア島に移住した。自給自足的で経済危機とは無縁なイカリア島で彼らは飛び切り元気で長寿な老人たちと出会い、人生を楽しむコツを学んでいくが・・・
More info
ギリシャは2010年頃からの経済危機で3人に1人は貧しく、若者の半分は無職となった。職を失い、希望を失った「ロストジェネレーション」と呼ばれる若者たちの多くはギリシャを離れ、海外に逃れたいと思うようになる。そして一部は僅かな希望を抱き、田舎を目指して移住。人生を再出発させようと行動を始めていた。
IT関連の仕事をしていた35歳のトドリスも、不況で治安も悪化した大都市アテネが故郷とは思えなくなり彼女のアナと、どこかミステリアスなギリシャの離島、イカリア島に移住することになる。イカリア島は長寿で有名な島で、人々は幸せに暮らしているという。イカリア島の暮らしは都市生活とは全くことなり自給自足的。トドリスは畑付きの家を買い、畑を始め、島の生活に馴染もうとするが…
監督のニコス・ダヤンダスも自らイカリア島に暮らしながら、新たな生活を始めたばかりのトドリスやアナの悩みや学びを追いかけ、どんな社会状況であろうと長寿で幸せに生きるイカリア島の老人たちの幸せの秘密迫っていく。
Data
原題 |
LITTLE LAND |
製作年 |
2013年 |
製作国 |
ギリシャ |
制作 |
ANEMON |
配給 |
ユナイテッドピープル |
時間 |
52分 |
Cast & Staff
監督 |
ニコス・ダヤンダス |
製作総指揮 |
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プロデューサー |
レア・アポストリデス、ユーリ・アヴェロフ |
原作 |
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脚本 |
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音楽 |
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撮影 |
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編集 |
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キャスト |
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上映会主催者の声
上映会を主催された方の声を紹介します
来場者の年齢層は30~40代で、ほとんどが地元の方でした。シェア会が盛り上がり、こういう生き方をしたいね、と思いを共有できた時間になりました。
⚫︎助け合いや繋がることが長生きや幸せの秘訣だとおもった。
⚫︎見方を変えると人はいくらでも豊かになれると思った。私たちは物で溢れた暮らしをしているけど、実はそんなに物はいらないんじゃないか。もっとシンプルに物を大切に生きたくなった。
⚫︎雨を恵みと感じたり小さなことに幸せを感じながら生きている姿がとても豊かに見えた。
⚫︎便利でない生活をしている人たちは知識が豊か。学校の勉強で私たちが習ってこなかったようなことを当たり前に知っている。ここに移住して驚いたのは、車が溝にハマったりトラブルがあっても、JAFFを呼ばずに自分たちで解決してしまうこと。
(山間部で畑や猟師をしている方も多く、)
⚫︎うちの父親の生き方みたいだなと思った。春は山菜を採り夏秋は畑、冬は猟をしたりする。季節に合わせてその時にできることをする。山水を使っているが貯水タンクは時々修理が必要。便利な暮らしをしてきた人がこの暮らしをするのは大変かもしれない。私にとっては当たり前だったけど、これは実は豊かで幸せなことだったと気づいた。
映画の冒頭に映された原題は「Little Land」でした。しかし邦題では、「ハッピー・リトル・アイランド」。
移住した若い人たちが直面する現実はなかなかに厳しく、鑑賞後の会話でも、みなさん割と、そちら側の意見が多く、ハッピー感がないとも言われたりしてました。生き延びるって大変なことだし、その力は若い人にはなかなかむずかしいよね〜、自分だったら大丈夫だけどね〜(笑)と。ある年長の方曰く。
小さな島で暮らすことに伴う困難さは、大きく2つあったように思います。ひとつは、自然との対峙。もうひとつは、コミュニティへの参加。前者は人間がどうにかできるものではないので、受け入れて対処していくほかなく、後者は自分が受け入れると同時に、相手にも受け入れてもらわなければならない。
どちらもシンプルであるが故に、逃れることのできない悩みともなる。そうであったとしても、そこに向き合い続けていくことが、「ハッピー」へと繋がっていく、、、そんな思いを、邦題をつけた方は、持ったのではないかしら、、、などと想像してみました。(笑)
今、移住は日本でもひとつのトレンド、というか、住まいや暮らしの選択肢の一つとして、当たり前のようになってきていますが、きっと同じような葛藤は至るところで生まれていると思うので、移住を考え始めたときのちょっとしたケーススタディやシミュレーションにもなる映画だなー、とも思いました。
今回は一昨年発売された『The Blue Zones(ブルーゾーン)』という書籍に寄せて、世界でも指折りの長寿の島になったのはなぜかということを探りながら話し始めました。
具体的に、「こうやって長寿になった」という映像はなかったのですが、頼り頼られる暮らし方、仕事をすること、起伏のある土地を歩くこと、自由な暮らし方といった項目が上がりました。
参加者から、田舎の束縛がいやで東京にやってきたのだけれど、緊密な人間関係のイカリア島と日本の田舎となにが違うんだろうという声があり、それぞれの体験から「地域コミュニティと新規移住者」という話がもりあがりました。
同じ映画を見て視点の違う意見や感想、知見がシェアされるのがアフタートークのいいところ。最近は雑談を大事に考えています。
”思いのほか”、好評でした。と、書くと関係者一同の方々にお叱りを受けそうですが、比較的地味なテーマ内容だったので、正直、ここまで来場者が伸びるとは思っていませんでした。告知方法では前回の反省を踏まえ、peatixとLINEお知らせを前倒しして(peatixさんは直前周知も配信していただけて、効果的でした)。おかげさまで、前回の「ミッション・ジョイ」を上回る方々に当館に足を運んでいただけました。ギリシャ・地中海の海をバックに、愛犬と一緒に海草を収穫する男性の写真が、猛暑の都市で日常を暮らす人たちにサジェストしたのでしょうか?(特に、梅雨の時期とはいえ、ここのところ35度を超える日々が続いております。)移住生活、時給自足、地域の人たちとのつながり、持続可能な経済活動、、、、映画を観た方方も、日本にも置き換えられる今的なテーマだ、興味をもって楽しめたと、喜んでいただきました。何人かの方からは、もう少し踏み込んで欲しかった、もっと、多くの事例を見たかったという声もいただきました。今後は、日本やアジア近辺での事例、特に地方経済を活況させる起業、スタートアップのために移住した若者たちを追った作品なども見てみたいと、切に願った次第です。いつも、素敵なドキュメンタリー映画を発見する機会を与えてくださる、ユナイテッドピープル様にこの場を借りて感謝いたします。
若者たちが貧しくとも幸せで長寿な高齢者が多いギリシャの島への移住を描いているこの作品は心に響く様々なテーマを掘り下げています。中でも「足るを知る」ことの重要性が感じられました。島の高齢者たちは達観しており、深い叡智を持つ彼らの言葉は心に染み入ります。
上映後、参加者たちと感想を分かち合いましたが、特に「都会から地方への移住」というテーマで盛り上がりました。
日本国内でも移住に伴う様々な問題が報じられる中、この作品は地方への移住の魅力と課題を見事に描き出しており、多くの示唆を与えてくれました。
トルコの方が近いぐらいで、決して裕福な島じゃないのに、
イカリア島には年老いても人生を楽しむ達人が沢山いるんです。
ギリシャの経済危機があろうと、
彼らがずっと人生を楽しんでいられる理由は、
どこか達観した考え方にあるのかもしれません。
ないものを数えるのではなく、あるものを数えること。
欲しいものではなく、必要なものを基準に物事を考えること。
そして、人生を楽しむこと。
そう、もしかしたら、進んで人生を楽しもうと思考するから、幸せに近づくのかもしれません。
とてもシンプル。
幸せになろうとするから、幸せに近づき、幸せになる。
何か、大切な事に気づかせてくれるドキュメンタリーです。