新着映画レビュー

小さな映画館、新年一回目の上映作品は「アリ地獄のような街」だったのですが、
お客さんはゼロでした。

この映画にハッピーエンドなんてものは用意されておらず、
映し出される現実が重くのしかかります。

別の映画「サバイビング・プログレス」を見た人が、悲しいという感想を言ってくれました。
虚無感を感じたそうです。
アリ地獄のような街は、絶望を感じさせてくれます。
現地に住んでいる人が絶望だけを抱いているわけではないことも、映画が描いているものがバングラディシュの一面でしかないことも承知です。
しかし、映画が描いている現実は、アリ地獄のような街の片鱗を手に取るように感じさせてくれます。

映画「ザ・トゥルー・コスト」は安い服を手に入れられる裏側を描くことで、
私たちがどっぷり浸かっている経済の流れを上手く描写していました。
その経済構造の最底辺の一部を描いているのが本作かと思います。

私たちがどういう社会構造の上に立ち日々の利便さを享受しているのか省みませんか。
ゴミのように扱われる子どもたちや女性をみることで自分の立っているところを知って一緒に絶望しましょう。

しかし、ただただ重く突き刺さる現実を前に、自分の役割を探し実行している若い日本人がいます。
それがこの映画を制作したNGOエクマットラの創設者の一人である渡辺大樹さんです。
渡辺さんがどういった想いでエクマットラを創設し、この映画を作られたのか、
動画の中で語られていますので是非ご覧になってください。

http://youtu.be/mNejSnaR4Ow
http://youtu.be/9wiG-cR27JA

「アリ地獄のような街」

渡部建具店さん 16/01/04 12:15

学び

テーマは重いですが、他の原発をとりあげた映画のように、原発に関する情報が次々に披露されるような内容ではなく、監督の母として人間としての想いに重点がおかれていたため、非常にみやすく感情移入もしやすかったです。
自身が同じく原発事故後から子供への放射能汚染の影響を非常に心配しているため、監督の、おなかの赤ちゃんが健やかに産まれられるかどうかという心配や恐れに素直に共感しました。
1人でも多くの私たち親世代がこの映画を鑑賞し、これから原発とどう向き合あっていくべきか、また子供たちが健やかに育つ環境を整えられるのか改めて考え直し、1人1人が自覚をもってよい方向へ行動するきっかけになればと思います。

「抱く{HUG}」

はやまいさん 16/01/03 04:34

感動 泣ける

海南監督はたまたま体験を映像にして人々に伝える術を持っていたけれども、そういう術をもたないたくさんの母親たちは今も現在進行形で、静かにこの恐怖や不安と戦っているのでしょう。そういった意味でこの作品は「個人的な作品」でありながらたくさんの母親たちの気持ちを代弁しており、その個人的な体験を映画にしてくださった監督にこころから拍手を送りたいです。海南監督の声でナレーションが語られており、視聴者は監督の視点や気持ちをとても密接に共有することができます。
「個人的な作品」であるからこそあまりデータとしての被爆の危険は語られません。チェルノブイリへの言及もありますが非常に限定的です。彼女が妊娠に気づいてから出産まで不安に苛まれる感情を共有するのに、そういったデータも織り込んでもらえたらもっと説得力が増したように思います。ただそれは同時に同じ妊婦の女性に余計な不安を与えることにもつながりかねないでしょう。そのあたりで監督は非常に繊細な配慮をされたのではないかと想像しました。

「抱く{HUG}」

twinkleさん 15/12/28 16:00

原発事故のことはテレビや新聞では見ており知っているつもりでしたが、映画を見て、より自分事として深く考えさせられました。

出ている情報が信じられるものでなく、後になって被爆がわかるという不安感。あんなにデモで声をあげている人がいるのに、再稼働するという現実。
食べ物に関しても、安心とうたっているから大丈夫、と本当に信じていいのか不安になりました。子どものためにも、未来のためにも、もっとみんなが真剣に考え、意識を向けないと、と感じました。

また、監督が人として、母として、しっかり地に足をつけて、自分の感情とも向き合い生きていること、それをフィルムに残し、映画として公開する姿に胸をうたれました。

「抱く{HUG}」

3歳5歳の母さん 15/12/27 16:11

学び 泣ける

311の時に、下の子は0歳(授乳期).上の子は4歳で東京に居ながらも、地震の恐怖とその後に起きた福島の放射能が子供達に与える影響を考えはじめました。内部被曝の問題は関東に住む私達には他人事ではなく。今でも母達の大きな関心時です。
あの時から、地元のママ達と(時にはパパや他の大人も)、自分の子供をまず守る日々の食卓の事から、福島の子を保養する活動に陰ながら参加・「政治を変えるには関心を持ち続ける事」「投票率を上げよう」を合言葉にワークショップや選挙前に楽しいイベントをしたり、仲間達で続けています。
最近の政府の暴挙に対しては子供とデモに参加する事もあります。

映画の中で、20ベクレルの壁と戦う福島の母達の思いは、私達の思いそのもので涙しました。
監督の不安・葛藤はとても心に響き、立派な赤ちゃんが元気に生まれた時は我が事のように安堵し、嬉し涙でした。
エンドロールの♪happy birthday♪で止めどなく流れた涙は、今の政府が次々と世に送り出す秘密保護法・安保体制・原発再稼働・世界の戦争へ加担する武器の輸出等への怒りと、母達の願いが届くのかとの子供の未来への不安と、諦めずに地方議会から政府へとでも声をあげ続けていきたいと、決意したりと複雑な涙でした。色々な思いを改めて感じ、身の引き締まる映画でした。

諦めない。「命を守りたい」、という親の思いより大きな思いはそうないと思う。経済を動かしている人も親であったり。これからも小さな動きを大きくして、大きな力をも動かしていけるよう、出来る事から〜☆

「抱く{HUG}」

keiさん 15/12/25 03:49

感動 元気 学び 泣ける

私は巨大地震の後、主人の仕事の都合で現在は海外に住んでいる。
3・11の時は日本で子育てをしていたので、自然災害の残酷さ、原発事故の隠蔽された情報のことに腹を立て、目に見えない放射能の恐怖に日々怯えていたことを思い出し少し怖くなった。
海外で生活をしていても、3・11のことは決して忘れたことはない。
この映画をみて、見えない放射能に体をはり、そして悩み続けながら育児に向き合う監督の姿や現地で子育てする方々の姿を目の当たりにした。
放射能の汚染の現実がない海外に住んでいると、平和ボケしてしまったのかのように危機感が薄く、自分がなんなのかと考えてしまう。
この時代に日本に生まれたのだから、現状を受け入れて生活するべきなのか?
少しでも体制が変わるように動くべきなのか?本当に変わるのか?
日本人として逃げられない現実。
まだまだ結論が出ないけれど、ことの重きを理解し、親、一人一人が考えること。
そして子供たちも一緒に考え意見を持つこと。
それが少しでも明るい未来を作れる一歩なのではと感じた。





「抱く{HUG}」

あやもえママさん 15/12/24 22:05

学び

お子さんのお誕生を観届けて、「よかったね〜」と心からのほっとし、ありがたさが湧いてきました。
お母さんの妊娠中の気持ちがリアルに感じられます。現実から目をそらさず、真実に強く向かう母の姿は、お腹にいるお子さんにとって、どんなに心強い生きる力だったかと思います。きっといちばん伝えたいお母さんの想いを、お腹の中でいっぱい感じていたことでしょう。同じ地球を選んだわたしたち、生きる力のバトン、しっかりと繋げていきたいですね!

「抱く{HUG}」

榎早里香さん 15/12/23 22:46

学び

妊娠は、本来なら、お母さんとなる人がその心すべてで喜ぶことのできる贈り物だと思います。このドキュメンタリーを見て、不安や恐怖がその喜びを上回る日々を過ごさなくてはならなかった海南さんの姿に、原発事故の恐ろしさと、今この瞬間も稼働し核のゴミを出し続ける原発の存在そのものの恐ろしさを、あらためて実感しています。福島にカメラを向け、原発事故の被害者を記録していたはずの海南さん自身が、妊娠を知った日からあの事故の被害者になってしまう。映像が伝えるものは大きいと思っていましたが、自身にカメラを向け、母となってゆく過程を映し出した映像は、これが原発事故の現実なんだと、見る私に怖いほどの力で迫って来ました。放射能の恐ろしさは、結局はその影響がわかりえない、ということに尽きるように思います。様々な事情で福島にとどまり、何も起こらないことを祈りながら子供を産み育てる多くの親御さんが数多くいる現実を決して忘れてはならないし、これ以上の再稼働を止めるべく、これからも異なる意見を持つ人々と話し、声をあげていこうと思います。私も来年、初めての子供を出産します。生まれくるすべての命に、祝福と健康があることを願ってやみません。

「抱く{HUG}」

Keiさん 15/12/23 15:07

学び

今年、川内原発が再稼働されたり、高浜原発再稼働に福井知事が同意したり
人々の意識や危機感が3.11直後に比べて薄らいでいるように思えてならない。
福島や原発の問題は今も続いているし、解決していないのに。
この映画を見て改めて、
親として子供の未来に対して何ができるのか考えた。

「抱く{HUG}」

さん 15/12/23 07:34

学び

私は、切り取った現実の中に生きている。そのことを改めて感じた。母親だから、思うのだろうか。子供がいるから、思うのだろうか。自分だけの命だったら、思わないのだろうか。小学生の時に、初めてはだしのゲンを観た後、怖くて眠れなかった。あの時と同じ気持ちを、あの震災で現実に味わった。そして、この映画を観て、それを思い出した。怖くて、心配でたまらなかったこと。それから、心配しても、仕方なかったこと。あきらめと同時に、心配しすぎるよりも、現実に、子供たちの心が健やかにあるように生きようと思ったことを。

「抱く{HUG}」

たまみさん 15/12/22 21:31

学び

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