当院ではこれまで、目のご不自由な方も楽しめる映画鑑賞会「ユニバーサル・クリニックシアター」を3回、開催いたしました。
第1回「ローマの休日」
第2回「三十四丁目の奇蹟」
第3回「雨に唄えば」
令和7年4月19日の土曜日に、その第4回目を開催いたしました。
今回の上映作品は「私は憎まない」というドキュメンタリー映画。
ガザ地区出身のパレスチナ人医師イゼルディン・アブラエーシュ博士のドキュメンタリー映画です。彼はパレスチナ人として初めてイスラエルの病院で医師として働き、産婦人科医としてイスラエル人とパレスチナ人の両方の出産に携わり、命の平等を体現していました。ところが2009年のある日、ガザの自宅がイスラエル軍の戦車の砲撃に会い、彼の目の前で3人の娘と姪を殺されてしまいます。無残な姿の娘たち…その悲劇を嘆く電話での彼の音声の一部始終が、イスラエルのTVニュースで生中継で放映される…。
ところが彼は「憎しみで戦争や虐殺は解決しない」と、発砲した兵士やイスラエル軍の上層部を憎むのではなく、あくまでもパレスチナとイスラエルの橋渡し役となるために共存の可能性を信じ、憎しみの連鎖を断ち切ることこそが真の平和の道だと訴え、過ちを認め謝罪するよう、イスラエルの裁判所に訴え出る、という姿を追っています。
その精神は世界中でたたえられ、中東のガンジー、マンデラ、キング牧師ともいわれ、5回もノーベル平和賞候補(まだ受賞はしていない)になっています。
これまでの上映作品はエンターテインメント的なものばかりでしたので、今回は思い切り社会派な内容です。
上映後、参加者の方へアンケートをお願いしているのですが、今回は設備や環境についての感想よりも、内容についての感想が多く、皆様平和についてとても考えさせられているご様子でした。
「1日でも早く停戦して平和な未来で世界、みんな平和でありたい。戦争で1つも良いものが生まれないと思うのでどれだけの犠牲を前にこれを続けている意味があるのか私にはわからない。」「私はニュースでイスラエル、ガザが大変なことになっているのを知りました。表面的なことはわかっているけどガザの人たちを応援、支援しなきゃと思っています。日本も平和ではありません。貧困、格差が大きいからやっぱり教育、指導者が大事だと思います。」「題名を聞いていたので少し調べて興味深い内容だったので楽しみにしていました。重たい内容でしたがこういう映画ってあまり解説もいれてもらえないしTVでもあまりやらない気がするので興味深く観させていただきました。」「TVでやってても字幕は全然見えないがこういう音声ガイダンスだったら楽しめるんだなと思いました。普通映画しか観たことがなかったから今回のドキュメンタリーをこんなふうに楽しめるんだなと思いました。」「一度字幕スーパーだけで観ていたため今回の音声ガイダンスがどのように解説、吹き替えするのか興味があった。30人くらいが関わっていたと聞いてこういうものを作るのは大変な作業なんだと感じた。こういう機会はとても良いですね。(お付き添いのご家族)」などなど…
今回は夢の世界ではなく、現実に今この世の中で起きていることに気付き、考える機会を持っていただくことができたのではないかと、この作品の上映会ができたことを嬉しく思います。
私が尊敬してやまない中村哲医師と同じく、アブラエーシュ医師も心から尊敬できる方のお一人です。その活動と精神がより世界に広まり、それが停戦、和平につながるなら、ぜひノーベル平和賞も受賞していただきたいと思っています。
片桐眼科クリニック
院長 片桐喜彰
https://www.k-eye.jp/
院長さん 25/04/29 15:40
地方都市の真ん中に住む者ですが、子供時代は戦災で焼失しまった屋敷内が畑に変わり、花と野菜、果実に季節を感じる生活でした。
そこへの回帰に憧れる現在ですが、世界の各地に豊かな農的生活をする人々があり、天からの恵みを惜しみなく分け与える生き方を実践している点が感動的でした。
それは現在世界を席巻する金融自由主義の生き方とは真逆のものであり、そこにある人としての豊かさが見る者に精神的安らぎを与え世界への信頼感を醸成してくれます。
マザーアース&のさりさん 25/04/29 08:39
いつもにも増して少ない視聴者に気落ちしています。どこかにはきっといる見たい人のために、広報の仕方に工夫をしなければ続かないことを実感しています。
内容としては直接のガザや周辺国関連作品よりは軽いので、その意味では広い対象に見てもらえるものと思います。信じられないほど好人物のカナダ側受け入れ先の人々、まるでおとぎ話ですが、カナダの田舎ではそこまでしてでも人口を増やしたいのか?人がいなければ何事も始まりません。難民受け入れの背後にはそういうのっぴきならない事情が見えるようです。
父権の強さと同時に意外に女性が強いことには驚きました。カナダの地方より、砲弾の雨に苦しめられているシルアのダマスカスの方が文化的だとも分かるし、文化と歴史の理解がさらっとついて来るという副産物が貴重です。
マザーアース&のさりさん 25/04/29 08:19
草間さんのライフストリーを追っていく話ですが、それとともに映し出される作品たちがとても素敵で映画だけでなく美術館に行ったような感覚になります。
参加者の人たちとの対話の中では、
・草間さんの生き方自体にアート性を感じること
・現代のいきづらさとは違ったその時代のいきづらさがあったこと
など草間さんに触れることで、深い話し合いが生まれていました。
映画に合わせて、市内のユニークな方々の作品展示も行うことで、アートやダイバーシティの雰囲気が地域全体に広がっていくと良いなと感じました。
岡崎ソーシャルシネマさん 25/04/29 05:09
作品紹介にもあった、二項対立ではないあり方に惹かれました。
あまり、はっきり白黒
どちらが正しい、どちらが間違っている!
泥沼になりそうな議論は、できることなら回避したい。
そんな気持ちがある一方、
どうしたら
目に見えない文化、地域性、
継承していきたいもの。それらを大きなもの、大きな団体、権力に飲み込まれずに守れるのか。
参加者一人一人が、考えさせられました。
自分ならどうする?と。
終わった後の感想も
「これはひと言では言い表せない」「どちらが正しいと答えはでない」とみなさん、仰っていましたね。
今の太地町、行ってみたくなりました!
マチリノさん 25/04/29 03:20
40分弱の短編映画ですが、終わって照明つけると、皆さんウルウル。子どもの可能性とまっすぐさと、大事な何かを思い出せる作品。
事情を抱えた、行き場のない子どもたち。
多くの子たちの“父”となることを決めたのは、ダライ・ラマ14世の元で修行されてた元僧侶。リピーターの方は(あ、以前観た『ミッション・ジョイ』の!)
作品と作品が、結びついて広がっていく楽しさもあります✨
またタイミングをみて、再上映したい作品のひとつです。
マチリノさん 25/04/29 03:16
異なる立場の人々がたくさん登場していろいろな視点を見せてくれたのが良かったです。生態系、エネルギー、先住民の生活、開発と自然保護などなど、いろんな切り口で思考が刺激されました。感心したり、笑っちゃったり、うーんとうなったり、美しい映像にうっとりしたり。あっという間の87分でした。
池上ナイトシアタープロジェクトさん 25/04/28 22:30
くもり空だったけれどもぐぐっと気温が安定してきた4月26日(土)開催しました。
以前上映したときはコロナ直後で集客があまりうまくいきませんでしたが、自分たちが買い物をするときを考えればとても身近な話題で、改めて衝撃を受けた方も多く、上映後の感想シェアもおおいに盛り上がりました。
4人程度の3チームに分かれて自由に語り合っていただきました。それぞれの仕事をからめて、あまり知られていない「ウォッシュ」を語り合ったり、上映することの意義を話し合ったり、話題はさまざまだったようです。
連絡先を交換する人もあり、作品を媒介に人と人とがつながる上映会となりました。
ロータスシネマさん 25/04/28 15:17
人間の本質とは、「幸せになること」な気がする。
この映画を通して感じました。
この映画を見て、「笑って過ごそう!」
そう心に誓いました。
なのにです。
僕には妻ともうすぐ3歳になる娘がいます。
昨日も、娘のふとした言動に大きく苛立ってしまい、怒りの感情をぶつけてしまった。
もう、笑っていなかった。笑って過ごすって難しい。
一方で、この映画ではダライ・ラマ法王とデズモンド・ツツ大主教はずーっと笑ってるんです。
昨日の僕の出来事とは比べ物にならないほどの、困難や苦難、理不尽なことがあったにも関わらず、笑って過ごしている。
それができるのは
「穏やか、平常心なのは鍛錬の賜物」
だと教えてくれました。きっとこれまでの人生で何度も何度も笑えない日があったんだろう。
それでも今こうして笑って世界中の幸せを願っている。
また、ダライ・ラマ法王は映画の中でこうおっしゃっていました。
「幸せな家族をつくると社会全体が幸せになる」
よし、今日こそ、我が家でずっと笑って過ごそう。
シネマ牟岐さん 25/04/28 05:16
※ 上映者の声投稿数で集計