小さくても十分な暮らし。これは今を生きるわたしたち日本人にとってなじみ深いテーマ。今回は家を建てようとしている人、親の家を片付ける人、さまざまな人たちが集まった今回、やはり共感の声が多かった。一方で、定住して昔ながらのものを大切にする暮らしが大事なのではないかと言う声もあり、今まさにひとりひとりが何が自分にとって大切なのかを考える時期なのだと感じた。
捨ててしまうと元にはもどらない。家族の歴史はいらないという人、自分のルーツにつながるものを確信したい人、さまざまだろう。課題をなげかけることになった。
作品は明るく淡々として、風景は美しい。シンプル、ミニマルという時代の傾向の中、心地よく過ごせる作品。
ロータスシネマさん 19/08/14 11:32
大国の経済や政治事情にひっぱられる食の世界。何が本当か、真実を見極めるにはどうしたらいいのだろう。「身近な食だからこそ、やみくもに指針に従うのではなく、自分で情報をあつめなくては」という意見が多くみられた。
この作品はヴィーガンを推奨する作品だけれど、懐疑的な人にとっても「データ数の多いリサーチ結果」が示され、大変参考になる作品だと思う。
会場でも、少し自分の食を見直そうという感想が多かった。
食べることは人生の楽しみでもあるから、やみくもに健康ばかりを追求する必要はないが、さまざまな事情を頭に入れておいた方が、より健康により楽しく長く食の世界を遊べる。その意味でもおすすめ。今までの飽食が続くわけもなく、これからの時代に多くの人に見てほしい作品だ。
映画『フォークス・オーバー・ナイブズ ― いのちを救う食卓革命』
ロータスシネマさん 19/08/14 11:15
ツォモリリ文庫でのツォモリリシネマ第一回に選んだのは、その予告編を見たときに、シリアで何が起きているのか、全然知らないぞ・・・という無知への焦りだった。SNSで目に止まる、シリアが大変な状況にあるという情報。けれど、そこで何が起きているのか、一歩踏み込んでこなかった。日々の、目の前の、出来事に相対するだけで毎日が過ぎていくから。けれど、この東京での暮らしの同軸上で、シリアという国では空爆による虐殺が行われている。対岸の火事か。いや、アサド政権を後押しし、シリア上空に戦闘機を飛ばすロシア軍。イラクにアメリカ軍が侵攻したときと状況は違っているのかもしれないが・・・どこか構造が似ているのでは、と思えて仕方がない。そのイラクには日本も足跡を残している。自分の足元へも、その影は届いている。
「Humanityはどこへ」と映画に出てくる救命隊員は嘆く。そう、これは国境や、国籍で隔てられるような出来事なのではない。Humanityの問題なのだ。僕は本編が終わり、照明をつけ、DVDの再生を止めた時、参加者のみなさんを前にしてなんと口にすれば良いか分からなかった。何も考えられなくなり、「お疲れ様でした」と言った。全く、場違いだな、他に何か言葉はないか、と思いつつも、それ以上、口にできなかった。あまりにも悲惨な場面の数々、それらすら映画にするために選択され、選ばれたシーン。映画に出てこない残りの、想像もできない現実があることを思うと、屋根があり、電気を使い、水分を口にし、命の危険性を感じることなく映像を見ている自分の今がどうにかなりそうに感じていた。
これは1日経った今、書けることで、昨日同じようには書けていないだろう。
せめて、この映像を撮影し、映画にした監督のメッセージであろう「少しでも多くの人々にシリアで今何が起きているのかを知らせたい」ということを受け取り、他へバトンを渡したい。
浜尾和徳さん 19/08/10 13:34
最近、アメコミヒーローたちが活躍する連作映画がアツい。
いい年した大人たちが熱心に実在しないヒーローたちを応援する理由は、現代の世相や社会問題を見事にエンターテイメントに落とし込んでいることにある。
シリーズ一作目のアイアンマンは全体的に軽いテイストの作品でありながら軍産複合体、兵器産業との戦いと償いを描いていた。ヒーローたちが戦うのは今の世に蔓延する理不尽で強大な仕組みそのものであり、その戦いは熾烈を極め、毎回手に汗握り応援してしまう。
映画エレメンタルはまさに今時代をともにし、実在している等身大のヒーロー三人にスポットをあてている。
1人目はガンジス川の環境保全を訴えるべく、インド巡礼の旅を始めるラジェンドラ・シン。
続いて、石油パイプラインの大規模工事がもたらす環境破壊に生活を賭して反対運動をしかける活動家のエリエル・デランジェ。
最後に、地球温暖化の抑止のため、自然界のあらゆる形を参考に工業製品に革新的な変化を起こそうと目論む発明家のジェイ・ハーマン。
スポンサーを探すべく必死に発明品をプレゼンする。
個人的にはこのおじちゃんが1番あどけない表情をしていて年齢とのギャップが素晴らしすぎた。
彼らの理想はまだ誰もが成し遂げていない領域への挑戦であり、その険しい道のりに傷ついていく姿をカメラは容赦なく追う。最後まで是非とも逃さず見てほしい。
人の手により、傷つけられている自然、と日々の暮らし。
しかしそれを覆すのもまた人であり、人間の、自分自身の可能性を再認識させてくれる一本。
浜尾和徳さん 19/08/10 13:16
「辺野古に行く」という地域の方からのリクエストで選んだ「ZAN」。ツォモリリ文庫では「海の子供展」という絵画展も開催していたため、アートに囲まれ、そこに生きる生き物たちに思いを馳せながらの上映会になりました。この出来事に関わる人々の声を丁寧にすくい上げた映画でした。また機会をみて上映したいです。
浜尾和徳さん 19/08/10 13:07
参加された皆さんがLGBT当事者の方もいらっしゃって、年齢も多様で、終了後の座談会では色々なお話ができました。
もっといろんな人に観て欲しいというお声が多かったです。
浦田千恵さん 19/08/09 12:34
※ 上映者の声投稿数で集計