再生可能エネルギーの話が中心でしたが、後半ではそれに止まらずに、市民が自発的に地域限定で保険システムを立ち上げる様子も紹介されていました。
自分たちの住みたい街は自分たちでつくる
自分たちの欲しい未来は自分たちでつくる
そんな勇気をもらうことができた映画でした。
終了後に、観た人同士で感想を話し合う交流会を設けましたが、映画の内容はもちろんですが、そこからどんどん話が広がって、とても充実した時間となりました。
またこのような上映会を企画していきたいと思っています。
人々に力を!人々に電力を!
自然エネルギーにエネルギー転換を実現し、小規模分散型社会を実現しているデンマークなどの事例を紹介する自然エネルギー業界ではバイブル的なドキュメンタリーとして紹介され続けている作品!
「15年前にデンマークの小さな島で出会った一人の男が掲げた「未来への夢」が、今やかたちとなり、世界中の人々に光と力を与えている。
3.11後の日本に生きる私たちには、すでに技術も政策も資金も方法もある。今こそ、石油や核の独占と争いから、太陽による平和と自立へと、自分自身の手で未来を取り戻した彼の挑戦の後に続くべき時だ。
未来は予測するものではなく、選び取るものなのだから。」
- 飯田哲也 (ISEP環境エネルギー政策研究所所長)
”人々にパワーを” これこそ究極の民主化といえるでしょう。
『パワー・トゥ・ザ・ピープル』には、オランダで再生可能エネルギー普及に取り組む活動家や、10年かけてデンマークのサムソ島を100%クリーンエネルギー化を実現し、2008年にTIME誌の「環境ヒーロー」に選出されたソーレン・ハーマンセンの取り組みなどを紹介する、私たちに勇気や力を与えてくれる明るいビジョンに満ち溢れたドキュメンタリーです。
人口4200人のサムソ島は、本土の電力会社を通さずに電力を確保するため、海上風力発電と太陽光による自家発電を取り入れているほか、農業中心の土地柄を利用してバイオマスやバイオ燃料を製造しています。その結果、余剰電力を売って利益を得ることができることになっています。
オランダのテセル島でもサムソ島のような取り組みが始まっています。エネルギー協同組合を設立し、再生可能エネルギーの生産に島民を参加させ電力の自給自足を目指しているのです。さらにオランダでは、顔の見える住民同士が大企業に頼らず、自分たちで運営するグループ保険『ブラッド基金』が広がりを見せています。この基金は、地域住民がお金を出し合い、困ったときに資金を融通する住民同士の信頼に基づいた保険です。
本作のナビゲーターは、第三次産業革命の提唱者のジェレミー・リフキン。彼は欧州委員会、メルケル独首相をはじめ、世界各国の首脳・政府高官のアドバイザーを努めているエネルギー革命のキーパーソンで、分散型の再生可能エネルギーとネットの融合で、資本主義と共産主義の良い点を取り入れた、持続可能な新たな経済システム、分散型資本主義へと移行ができると訴えています。
「大きな社会」から、顔の見える「小さな社会」へ、グローバルからローカルへ。大手電力会社に頼らず自らエネルギーを創出する住民グループたち、大手保険会社ではなく、顔の見える者同士がお金を出しあって作った基金など、新しい経済システムへ移行が始まっています。
地域でお金もエネルギーも循環し、人々が活き活きと自らのエネルギーを活かして働く様子が描かれています。まさに、パワー・トゥ・ザ・ピープル。人々に電力を!人々に力を!市民が主導権を握る、新たな時代へようこそ!
原題 | Power to the People | 製作年 | 2012年 |
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製作国 | オランダ | 制作 | VPRO |
配給 | ユナイテッドピープル | 時間 | 49分 |
監督 | サビーヌ・ルッベ・バッカー | 製作総指揮 | |
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プロデューサー | 原作 | ||
脚本 | 音楽 | ||
撮影 | 編集 | ||
キャスト | マーヤン・ミネスマ ソーレン・ハーマンセン ジェレミー・リフキン |
14/05/15 12:02
17/09/27 20:07
漫画で楽しむ『パワー・トゥ・ザ・ピープル ~グローバルからローカルへ~』もどうぞ!
http://unitedpeople.jp/p2p/mang